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デカくて、すごくて、優越感たっぷりのA380の旅(後編)

ちなみに、飛行機好きは変なところに注目してしまう。

たとえば、安全のしおり。こちらで解説したとおり、どの飛行機も90秒以内に片側の出口から全員が脱出できるように設計されている。2階建てのA380はどういう設計になっているのだろうと思い安全のしおりに目を通したら、もちろん直接2階から地面に滑り降りられるようになっている。

デカくて、すごくて、優越感たっぷりのA380の旅(前編)

無事エコノミークラス(つまり1階)からビジネスクラス(つまり2階)にアップグレードされ、僕はA380の旅を満喫することとなった。

自分で言うのもなんだが、出発当日の僕のはしゃぎようは半端じゃなかった。チェックインの時から頭の中はA380に乗れる嬉しさでいっぱいで、フライトシミュレーターのことなどすっかり忘れてしまうほどだった。

ひょっとしたことで叶ったANAのA380に乗る夢(後編)

ということで、ANAのサイトにアクセスして妹が指定した便を検索すると、表示された価格は20万。金額にたまげて、これはプレエコを選んでしまったのだろうと思い検索し直すと...また20万円。コロナで飛行機代が高騰していると噂には聞いていたが、まさかハワイ行きのエコノミークラスが数十万円もするとは夢にも思っていなかった。

ひょっとしたことで叶ったANAのA380に乗る夢(前編)

僕の長年の大きな夢は「幻の飛行機」になりつつあるAirbus A380に乗ることだったが、去年の夏、その夢がひょっとしたことで叶った。

きっかけは、妹がハワイ旅行に行くと宣言したことである。

ハワイ諸島に特に関心がなかった僕は、それを聞いて「どうぞ行ってらっしゃい」と思ったのだが、ふと肝心なことに気づいた。東京〜ハワイはANAが唯一A380を飛ばしている便である。

そこで僕は尋問を始めた。

「飛行機事故検証マニア」として、羽田空港衝突事故について思うこと

飛行機事故検証マニア」として、羽田の滑走路衝突事故に関して思うことを書いてみることにした。なお、これを機会に、以前書いた「航空事故を生き延びるための三つの秘訣」にもぜひ目を通していただきたい。

この事故については、多くの人が「なぜ起こったのか」という点に最も関心を持っている。事故の原因については過去の類似した事故が参考になると思えるので、過去にあった主な滑走路衝突事故と原因を最後にまとめてみた。

本文では、あえて他ではあまり強調されていない次の2点について語りたいと思う。

  1. この事故では、旅客機の方で1人も死者が出なかったという「成功」があったこと
  2. 今後の防止策として謳われている自動化は、有力な手段だが限界があること

ファーストクラスのいろいろ(後編)

もっとも、上には上がいれば下には下がいることも然りであり、これはファーストクラスでも同じである。

数ヶ月前、ひょっとしたことで知り合いになったアメリカの大学生が日本に来るというので、人生の先輩かつ社会人として、僕からしたら結構なお値段である寿司屋のすしざんまいでお昼を奢ってあげることにした。真昼間だったものの、「僕も飲むから君も飲め」って促したら、「実はちょっと飛行機で飲みすぎて...」みたいなことを言い出したので、何があったのか聞いてみると、なんとファーストクラスで来日したのだそうな。

学生の身分で。初めての日本に。それもファーストクラスを独占して。

ファーストクラスのいろいろ(前編)

この前、久しぶりにアメリカに行った。別に小室圭の勤務先について調査しに行ったわけではなく、コロナ期間中にだいぶ貯まったマイルを失効する前に使い切ろうと思っただけである。

コロナが落ち着きつつある昨今、航空会社は大層繁盛しているようで、ビジネスクラスへのアップグレードは最後まで待たされたが、間際になんとかアップグレードされ、無事、エコノミークラスのチケットで優越感たっぷりの旅を楽しめることになった。

ということで、僕はいつも通り早めに空港に足を運び、ラウンジでうどんを三杯、いなり寿司を8つ、ミニおにぎりを数えきれないほど食べた。ワインも飲んでだいぶできあがってきた頃、「そろそろ搭乗時間だな」と思って出発便案内のモニターを確認すると、NY便は「定刻」となっていたので、すぐに荷物を纏めてゲートに向かった。なぜ最後までラウンジにいないかというと、さっさと搭乗して後から乗ってくる乗客に優越感を感じたいためである。

たまにビジネスクラスで飛ぶと、僕はここぞとばかりにがめつく(後編)

さて、飛行機が離陸すると食事が始まり、僕にもエンジンがかかる。

離陸直後の夕食は和食か洋食かを選ぶ必要があり、「両方」という選択肢はない。メニューにはご丁寧にも僕のような意地汚い客向けにわざわざ「お一人様おひとつずつです」と書いてある。ちなみに、エコノミークラスにはそういった制約がないので、大食の方はぜひ「余ったら二つください」と注文してみることをお勧めする。

たまにビジネスクラスで飛ぶと、僕はここぞとばかりにがめつく(前編)

ふとテレビを観ていたら、某航空会社の乗務員がビジネスクラスで飛ぶ顧客の色々を語っていた。

彼女は「ビジネスクラスに慣れていらっしゃるお客様と違って、たまに飛ばれる方は。。。。」というようなことを言いながら、さりげなく、ビジネスクラスに慣れていない客は手間がかかることを示唆していた。

これを聞きながら、「あ、まさに僕のことだ」と思ってしまった。

ジョーのインタビュー〜恐れる以上に得るものはない(前編)

以前からしつこく「俺をインタビューしろ」と言ってきてるジョー。うざいのでとにかく黙らせるために形式的なインタビューを行ったところ、どうせましな話は聞けないだろうと諦めていたら、恐れてた以上に得るものがなかった。

---本日のインタビューはさっさと終わらしましょう。

僕はいくらでも時間があるから、そんなに気を使わなくてもいいよ。

--そっちが良くてもこっちがイヤなんです。で、なんでそんなにインタビューをしてもらうことに拘るんですか?

それはさー、僕の夢って有名人になることなんだけど、インタビューを受けるってことは有名人になれた証じゃん。

「ジョーのおしゃべりトラブル」と言われている事柄に関するジョーの文書の後編(後編)

4【周囲の私の話に対する受け止め方とそれに対する私の考えとそれに対する周囲の反応について】

このように私としては有意義な情報を貴重な意見と共に伝える努力を最大限尽くしてきたつもりですが、いつでも、どこでも、誰からも、私が口を開く度に、屈辱的かつ人格否定的な発言及び行為が多く見られました[注7]。また、必ずしも否定的とは言えない振る舞いであっても、そっけない反応が多かったです[注8]。

「ジョーのおしゃべりトラブル」と言われている事柄に関するジョーの文書の後編(前編)

3【「ジョーのおしゃべりトラブル」と言われている事柄に対する私の認識について】

「1」で説明したとおり、今まで私は「ジョーのおしゃべりトラブル」と言われている事柄について自分がどのように考えているのかを説明することはしてきませんでした。ここでは、この事柄について私がどう思っているのかを理解していただくためにも、改めて、「ジョーのおしゃべりトラブル」と言われている事柄に対する私の認識を可能かつ必要と思われる範囲で説明します。

「ジョーのおしゃべりトラブル」と言われている事柄に関するジョーの文書の前編(後編)

2【この文書を作成し公表することにした理由について】

まず初めに、この文書を作成し公表することにした理由について説明したいと思います。

詳しくは後出の「3 」で説明しますが、そもそも私は幼い頃からよく話す子供であり、成長するにつれてそれがますます増長され、社会人になってからは歯止めがかからなくなりました。

私が話す内容はすべて世のためになるものと考えて喋っていたものばかりであり、それは決して、自分が好きなことを、場所と時間を選ばず、周囲などお構いなしに話していたわけではありません[注3]。

「ジョーのおしゃべりトラブル」と言われている事柄に関するジョーの文書の前編(前編)

この文書は、4月8日に小室圭様が公表された文書にトンマナが酷似しておりますが、それは単なる偶然であることを冒頭でお断りさせていただきます。

1【はじめに】

私は、長らく「ジョーのおしゃべりトラブル」と世間で言われている事柄について自分がどのように考えているのかを公に発信するということをほとんどしてきませんでした[注1]。

飛行機事故検証プロになりたくなって、科学を勉強しとけばよかったと今さら後悔(後編)

当時の僕は、まさか自分もフライトシミュレーターにハマるとは夢にも思っておらず、そんな彼に冷ややかな目を向けていた。ただ、唯一興味を示したのが、彼に見せてもらった香港の旧啓徳空港での着陸の動画だ。険しい山々に囲まれ、都市のど真ん中にある空港で、45°角度で着陸する飛行機の映像は、飛行機オタクでなくても目を惹かれる。

飛行機事故検証プロになりたくなって、科学を勉強しとけばよかったと今さら後悔(前編)

「飛行機事故検証」というだいぶ不謹慎な趣味がある僕は、ユナイテッド航空のエンジン破裂事故みたいなことが起こると、血が騒ぐ。

そして後悔の念に駆られる。昔、ちゃんと科学を勉強していればよかった、と。

というのも、僕は極端なほどの理科オンチなのである。

やっと昇級の将棋、一生の付き合いの趣味(後編)

この「上達し続けられる」ということが、趣味の持続力には不可欠だと思います。最近、私の飛行機事故の検証の趣味が冷めつつあるのは、科学オンチではこれ以上極められそうにないからです。嬉しいことに、将棋ではまだまだ限界が近いという感じがしません。

迷惑男佐久沼條治、ふたたび!(後編)

一緒に佐久沼の席に向かいながら、まさゆが軽い口調で話しかけてくる。根っこは陽気な若者なのである。

「左飛道先輩って、佐久沼先輩と一緒に仕事するようになって長いらしいですね」

「そうよ。入社してすぐあの人の下の配属になってから3年が経つ」と、忌々しい口調でレヌは答える。

「でも、佐久沼先輩って弁護士なんですよね。留学してる、って噂もあるし」

まさゆが大分誤解しているようなので、レヌは足を止めて言い聞かせる。

「これはいい社会勉強になるから教えてあげるわ。弁護士にもピンからキリまであって、あの人はキリにも入らないの。弁護士界に裏口入学してるんだから」

「えー、そんなこと可能なんですか」と、純粋なまさゆは信じられないようだ。

「時々、あの人、『あいつには弁護士の資格がない』とか、『こいつには地球にいる資格がない』とか偉そうに評論し始めるけど、最も資格がないのはあの人なの」

迷惑男佐久沼條治、ふたたび!(前編)

この物語はフィクションであり、主人公である佐久沼條治の名称および性格と立ち振る舞いが著作者のものと瓜二つであることは、すべて偶然です。

(まずは第一弾である「佐久沼條治という、ある迷惑男の話」からお楽しみください)

「あの、今ちょっとよろしいでしょうか」

下を向いて契約をレビューしていた左飛道(さひみち)レヌは、声をかけたのが誰なのかすぐに分かった。顔を上げると、案の定、井馬(いま)まさゆが不甲斐ない顔をして立っている。

3年前の自分も終日似たような表情をしていたことを思い出し、自分もずいぶんたくましくなったものだと、自分を褒めたくなった。

「どうしたの」

そんな表情をしなければならない根源など一つしかないのだが、とりあえず聞いてみる。

「この前の出張の経費を清算しようと思って、佐久沼先輩にこれを渡そうとしたんですけど。。。」

最後には聞こえないほど声が小さくなってしまったので、レヌはまさゆの手元に目をやる。そこにあった領収書をみて、瞬間的に何が起こったのか理解した。

「そのしゃぶしゃぶ食べ放題い温野菜の領収書を、あの人に渡そうとしたのね」

飛行機の旅は、とにかくやることが多すぎる(後編)

【読む】(2〜3時間)

年間52冊の読書ノルマがあるにもかかわらず、普段の僕は読書どころではない。よって、冊数を稼ぐ絶好の機会である出張や旅行には、本を4、5冊えっちらおっちら持って行く。

飛行機に乗ってる間は、もっぱら読書にあてられる時間。もっとも、「いつでも読める」という気持ちより「ちゃんと読まねば」というプレッシャーの方が強く、通路側に座った後に窓際の人が現れると僕が激怒するのは、読書ノルマ達成の邪魔になるからである。

飛行機の旅は、とにかくやることが多すぎる(前編)

僕は飛行機での旅が全く苦にならない。なにせ、飛行機の中ではやることが多すぎるのだ。

【呑む】(常時)

気圧が低い機内では酒がまわるのが早い、と言うのは定論。どんな便でも離陸後すぐに飲み物サービスがあるので、早々とご機嫌になれる。

さらに、国際便だとアルコールは無料。頼めばいつでも日本酒を持ってきてくれるので、離陸直後に飲んだ酒が薄れてきたら、乗務員に声をかけるだけで、すぐにまたご機嫌気分に戻れる。

子供を失う米国航空会社で飛ぶなら、スマホを失うくらいの覚悟が必要(後編)

困った彼は、手荷物受取所で、手当たり次第アメリカン航空の従業員を捕まえては状況を説明した。しかし、誰しもが「www.aa.comでクレームを提出するように」と言うだけで、取り付く島もない。結局スマホは回収できず、携帯なしの米国滞在一週間を強いられてしまう。

これを聞いた僕は、当初こそはなんとも気の毒な話と思ったが、最終的にはあまり同情の余地がないという結論に落ち着いた。そもそもJAL運航の東京〜シカゴ便があるのに、あえてアメリカン運航の便を選択したことが致命的な過ちである。アメリカン航空のビジネスクラスで飛ぶくらいなら、JALのエコノミークラスで飛ぶべきだった。

子供を失う米国航空会社で飛ぶなら、スマホを失うくらいの覚悟が必要(前編)

最近、ある人からアメリカン航空の東京〜米国シカゴ便における悲惨な体験話を聞いた。

この人はJAL派だったので、JAL経由でコードシェアパートナーであるアメリカン運航の便をビジネスクラスで予約した。(ちなみに、アメリカン航空とは、僕が昨年の映画3連チャン企画中に3度もプレミアムエコノミークラスの食事を見せられ、あまりにまずそうなので絶対に飛ぶまいと誓った航空会社である)

ジョーの人生の方式(後編)

徹夜と言えば、カラオケを思い出す。前職での最も懐かしい思い出は、朝4時まで同僚とカラオケで歌いほうけたこと。救いようがないほどの音痴でも、ここまで歌うことが好きなら睡眠<音楽と言えるだろう。

ジョーの人生の方式(前編)

このブログの熱烈なファンならご存知のはずだが、僕はありとあらゆる趣味を持っている。

僕にとって大切なものをざっとリスト化すると、こんな感じか。

最近よく見かける、「得意な英語を聞かせたい」症候群(後編)

このように敬遠されがちな離陸後アナウンスの英語版だが、たまにやたらと英語を話したがるパイロットがいる。

一番わかり易かったのは、日本語より先に英語でアナウンスを始めたパイロット。最初は外人VIPでも乗せているのかと思ったが、その後、やれトイレに行った後は必ずシートベルトを締めるようにしてくださいやら、やれ気流がどう飛行時間に影響を及ぼしているやら、やれ飛行中の何時の何処あたりが景色の見どころやら、流暢な英語で長々と説明されるのを聞いて、なるほど、この人は英語を使ってかっこつけたいだけなのだな、と納得した。

犠牲にすべき腕時計を、僕はある悪夢から学んだ(後編)

そして考えたのが、どうやったら僕の腕時計を救えるか、である。時間があまりない中、将棋では全く活かせない頭がフル回転した。

通常の人は腕時計を一本しか着けていない。いつも腕時計を2本着けてることから変人扱いされることを経験しているため、これは間違いない。

となると、ハイジャッカーもまさか僕から腕時計を2本も回収できるとは考えていないはず。ということは、急いで隠せば1本は救えることになる。

犠牲にすべき腕時計を、僕はある悪夢から学んだ(前編)

ふと気が付くと、僕は飛行機に乗っている。

機材はボーイング737で、周囲に座っているのは外人ばかり。どうやらこれは、米国内を飛んでいる国内便と思われる。僕が座っているのはエコノミークラスのちょうど真ん中あたりで、前を見ると、ファーストクラスに8人から12人ほど座っている。

目が覚めたきっかけは、そのファーストクラスで起こっている騒動であった。まだ完全に覚醒しておらずとも、それが一大事であることは一目瞭然だった。なにしろ、どでかい男性3人がライフルを持っているのだ。見るからにしてこれはハイジャックである。

小学校中退の国際弁護士、偏差値78の高校入試に挑む〜採点の巻〜(後編)

このように採点していった教科の総合点は140点。ちなみに、合格者最低点は218点である。

結局合格ラインに64%しかたどり着けなかったわけで、開成高校が偏差値78であることを踏まえると、僕の偏差値は50といったところか。

こうして意外にも開成高校の入試に落ちてしまったわけであるが、このチャレンジを通じて僕は、自分について重要なことを多く学んだ。

小学校中退の国際弁護士、偏差値78の高校入試に挑む〜受験の巻〜(後編)

ところが、英語の最初の文章を読んでいるうちから、「?、やけに難しい文章だな」、「?、peripateticってどういう意味だ」と頻繁に危険信号が点りはじめる。

で実際に問題に取り掛かりはじめると、まずは「空所に入る適切な語を答えなさい」という問題で、そういえば僕は英語でも語彙が少ないんだったということを思い出し、その後の「日本語で答えなさい」という問題で、そういえば僕は日本語が弱いんだったということを思い出した。

英語のテストなのに日本語での回答が求められることの理不尽さに憤っていたら、回答用紙に空白が残ったまま時間が切れてしまった。

小学校中退の国際弁護士、偏差値78の高校入試に挑む〜受験の巻〜(前編)

開成高校入試チャレンジ戦略を練った後受けることにしたは、一番合格しそうな2017年版である。

まずは、100点満点中30点を目標としている国語から。

最初の文章を読み始めると、なんと夕張市についてではないか。先日、経済破綻したことで有名なこの町が現在どう復帰の道を辿っているのかについての朝日新聞の記事を読んだばかりである。得意の政治、経済も絡んでくる内容だ。こんな問題、読解力などに頼らずとも解ける。

僕の才能は考えなしにもっぱら話せること

14歳でプロ棋士になった藤井聡太をみて思った。僕も何か才能はないものかと。

そして気付いたのだ。僕には考えなしにもっぱら話す能力があるではないかと。

この才能はまず、物理的に話せることから始まる。

話すというのは意外と疲れるものだ。数年前のバレンタインデーに、夕食を始めた17時から閉店の24時まで7時間ぶっ通しで話し続けたことがある。今考えてみたら店にえらい迷惑をかけたものだと猛省しているが、当時は帰りのタクシーで顎が痛くなり僕の口にも限界があることを学んだことに気を奪われていた。もっともその時は機関銃のように捲し立てたので7時間で体力(というか口力)が尽きてしまったが、限界を知った今ではペース配分をすれば12時間は余裕で喋り通せる自信がある。

海外出張は、いいシミュレーターがある成田から

僕は世にも稀な成田空港派だ。海外出張の際、羽田空港発と成田空港発の便の選択肢があれば、迷いなく成田発を選ぶ。

理由は、フライトシミュレーターである。

僕がフライトシミュレーターにはまるようになったきっかけは、以前に書いたことがある航空事故検証ドキュメンタリーだ。この番組から学んだ様々なパイロットミスに関する知識を周囲にひけらかしていたら、友人の一人が数年前、本物のボーイング737のコックピットで元パイロットの指導の下フライトシミュレーターを体験できるという誕生日プレゼントをくれた。

航空事故を生き延びるための三つの秘訣

不謹慎であることを承知で認めるが、僕には航空事故の検証という変わった趣味がある。

趣味のきっかけとなったのはカナダのドキュメンタリー「メーデー!:航空機事故の真実と真相」。この番組が今年で17シーズン目を迎えることからも分かるとおり、航空事故が興味深いと考えるのは何も僕だけではないのだ。

僕の「メーデー」へのはまり用は異常で、購入した全シーズンDVDセットがオーストラリアリージョンに限定されていたため、このDVDを観るだけのためにリージョンフリーのDVDプレイヤーを入手している。

航空事故の話をすると特に出張の時など周囲に嫌がられるのだが、「メーデー!」から学んだ「飛行機事故を生き延びるための三つの秘訣」に関する話が実は僕がする無駄話の中で唯一ためになった話、と言われたことがあるので、是非ここで紹介したいと思う。

米国銃社会の恐ろしさ、南部に旅行して学ぶ

僕は米国の南部に憧れている。

高校時代、アジア人かつカソリック信者である僕は南部の大学だけは避けるべき、と教師から忠告を受けたのだが(南部はキリスト教と言ってもプロテスタント派が一般であり、白人以外は差別の対象となるため)、南部の人の訛りやゆったりさ、そして南部の文化にどういうわけか魅力を感じてしまう。

そんな南部に一人だけ親しい友達がいる。サムという名の彼は、ニューヨークは一度だけ行ってもうこりごり、と語るような、生粋の南部っ子である。彼が話をしてくれる南部の世界は僕が知らない別世界の話でいつも興味深い。

数年前に日本への転勤が決まった時、今後はそう簡単に会う機会がないと思ったサムに会いに行くことにした。

南部といえば米国の中でも特に銃が浸透している地域だ。その頃僕が住んでいたニューヨークでは中々撃つ機会がなかった僕のピストルもテネシー州なら容易に撃つ機会を見つけられるだろうと思い、テネシー州まで持っていくことにした。

そこでまず調べたのが、どうやったら銃を飛行機に持ち込めるか、ということである。

2015年を振り返って

今年も残すところ数日となりましたが、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。

2015年は例年にも増して早く過ぎってしまったように思いますが、今年を振り返りますと 、私にとっての最大のニュースはPeter E. Doyneニュージャージー州裁判所判事による引退だったのではないかと思います。

「風立ちぬ」は宮崎駿の稀に見る失敗作

3.5/10

宮崎駿監督の最新アニメ作「風立ちぬ」(2013年)は、零戦設計者として有名である堀越二郎の半生が主題。子供の頃パイロットになることが夢だった堀越は、近視だったためその夢を叶えることは不可能であることを悟り、飛行機設計者という違う方法で飛行機の世界と携わっていく道を選ぶ。そのため学問に励み、その後東京の大学で勉強する事になる。

大学入学のため汽車に乗り東京に向かう途中、関東大震災が起こる。脱線した汽車により怪我を負ったある少女の女中を担ぎ、少女の家まで付き添うが、少女の名前は聞かず、そして彼も名前を残さず大学へと向かう。

その後大学を卒業した堀越は、飛行機製造会社に就職し、名古屋に配属される。優秀な設計者として迎えられた彼だが、彼が最初に設計した飛行機は空中分解してしまう。上司により欧米の発展した技術を学ぶよう薦められた彼は、同僚とともに高度な飛行機技術を学びに外国へ送られる。こうして技術を磨いた堀越は日本に戻り次第新しい戦闘機の設計を任せられるが、新しく設計した飛行機も試験飛行で墜落してしまう。

またもや失敗してしまった堀越は、長期休暇を貰い軽井沢へと向かう。そこで何年も前の大震災の際に助けた少女、菜穂子と再会し恋に落ちるものの、菜穂子は結核を患っていた。菜穂子とは限られた時間しかのこされていない中、堀越は戦闘機の設計成功のために執念を燃やすようになる。

宮崎駿は「風立ちぬ」をとおして、多分、結核に患われていた妻に支えられた偉大な飛行機設計士の物語を語ろうとしたのであろう。「多分」と付け加えたのは前半では二郎は少年からの夢を追って飛行機の設計士になり、上司や同僚や囲まれて成長していくのに対し、後半からは突如として菜穂子との関係のみがクローズアップされるからだ。このように中盤で、堀越と飛行機中心の話から堀越と菜穂子中心の話へと大きな方向転換を行ない、軌道修正できない所が「風立ちぬ」の最大の欠点である。

最新の「海猿」は単純さがいい

8.5/10

くさい台詞を吐く主人公中心のありふれた感動物語が大金をつぎ込んだ大規模なアクションを通じて語られる。そんな何にも考えないで楽しめる単純な映画を、特に夏には観たくなる。「海猿」シリーズの4作目となる「BRAVE HEARTS 海猿」は、2作目と同様に、そんな欲求を満たしてくれる映画である。

構想はいたって簡単。海上保安官である仙崎大輔 (伊藤英明)と以前からバディーである吉岡哲也(佐藤隆太)は、通常の海上保安官が出動できない現場を任せられる特殊救難隊に所属する。彼らの直属上司は嶋一彦 (伊原剛志)。命を救うことを何より優先し、どんな場合でも奇跡を信じて諦めない心を持っている仙崎は、現場では冷静な判断力が最も重要であると考える嶋とは意見が合わない。そんなある日、吉岡がプロポーズして断られた元彼女である矢部美香(仲里依紗)がキャビンアシスタントとして乗っている羽田行きの飛行機がエンジンと機体に大幅なダメージを受けるという危機に晒されてしまう。海上保安庁警備救難部救難課長である下川嵓(時任三郎)が危機管理のため羽田空港に駆けつけるが、状況を鑑みて飛行機の羽田への着陸は不可能と判断。乗客と従業員全員を救う方法は東京湾への着水方法しかないと決断する。薄暗くなる中での着水、そして着水後の即効の救出には海上保安が欠かせなくなり、仙崎、嶋、そして矢部が飛行機に乗っていることを知っている吉岡が出動する。

「海猿」は単純な映画だが、このような映画の製作は簡単なようで意外と難しい。単純な映画とはいえども構想は肝心で、関心を削ぐようなストーリーはいくらアクションシーンが良くても、観客は冷めてしまう。「海猿」はそこら辺のコツをしっかりつかんでいる。この映画の空と海での危機を中心とした構想はスケールが大きい。飛行機に不具合が起こった時点から映画はテンポが上がり、ハラハラする場面が中断されることなく続く。海で活動する海上保安官の話なのに空を飛ぶ飛行機を中心とする設定は如何なものかと観る前は半信半疑だったのだが、空と海の場面がバランスよく組み合わせられており、全く違和感を感じない。前作「THE LAST MESSAGE 海猿」の石油プラットフォームでの設定は今ひとつしっくりこなかったのだが、「BRAVE HEARTS 海猿」では空という海とは全く関係の無い場面を導入したことで反対に成果を出している。
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