やっと昇級の将棋、一生の付き合いの趣味(後編)

前編から続く)

この「上達し続けられる」ということが、趣味の持続力には不可欠だと思います。最近、私の飛行機事故の検証の趣味が冷めつつあるのは、科学オンチではこれ以上極められそうにないからです。嬉しいことに、将棋ではまだまだ限界が近いという感じがしません。

趣味を継続させるには、面白さも必要です。そして、その面白さとは深さに直結します。

一時、私はパズルと家系図の作成に入れ込んでいましたが、前者は「世界で最も小さい3000ピースのパズル」とやらを二つやったら頂点に達した気持ちになり、後者は私の戸籍を遡って調べた行政書士が完成させました。

将棋では、パズルや家系図で感じてしまった「達成感」の心配はなさそうです。学べば学ぶほど、上達すればするほど、今まで見えてなかった将棋の世界が見えるようになってくるのです。

このようにたくさんの魅力がある将棋。やはり一番の醍醐味は、他の人とやれるところにあります。

将棋には最善とされる手の指し方である「定跡」というものがありますが、いくら定跡があっても、人間が指すかぎり、対局がどう進むかなんて予測がつきません。対局中、相手に指された手に対して「え、なんで?」と思うことはざらにありますし、私がこれしかないと思って指した手に対して「え、まさか」と相手がびっくりすることもあります。「人生いろいろ」がモットーである私にとって、この意外性はたまりません。

ここまではまってしまった今となっては、嫌になるほど連敗を喫しても、将棋を辞めることなど想像もつきません。どうやら将棋とは一生の付き合いになりそうです。

念願の昇級を果たして置き駒の賞品を貰えたのは嬉しいですが、本当に喜ばしいのは、気が多い性格にもかかわらず一生冒頭できる趣味に巡り会えたことかもしれません。

 
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