子供を失う米国航空会社で飛ぶなら、スマホを失うくらいの覚悟が必要(前編)

(English version available)

最近、ある人からアメリカン航空の東京〜米国シカゴ便における悲惨な体験話を聞いた。

この人はJAL派だったので、JAL経由でコードシェアパートナーであるアメリカン運航の便をビジネスクラスで予約した。(ちなみに、アメリカン航空とは、僕が昨年の映画3連チャン企画中に3度もプレミアムエコノミークラスの食事を見せられ、あまりにまずそうなので決して飛ぶまいと誓った航空会社である)

さて、当日。離陸体制中に肘掛けに置いていたスマホが、離陸の際に滑って席の隙間に落ちてしまう。彼は頑張って席を動かしたり手を突っ込んだりしてスマホを取り出そうとしたが成果が出ず、仕方なしに乗務員に声をかけることにした。

その乗務員も、まずは自力でああやったりこうやったりとスマホを取り出すことを試みた。それではうまくいかないと悟り、次はハンガーを持ってきて席の隙間に入れぐいぐい回し始めると、なんと肉が刺さったフォークが出てきたものの、肝心なスマホは姿を表さず。最後には「これはエンジニアじゃないと出せないわ。着陸後にエンジニアが助けてくれる」と言って匙を投げてしまう。

僕はこの場面での正しい対処を知っている。とにかく食い下がるのである。米国のサービス水準からして、この乗務員はその場しのぎの適当なことを言って見捨てようとしているに過ぎない

しかし、米国に住んでいたことがあるこの人は日本生活があまりに長すぎた。純真な心の持ち主になってしまった。よって、この乗務員を信じた。

彼女を信じて、着陸後、乗客も乗務員も飛行機を降りて清掃員が乗ってくる時まで、幻のエンジニアを待っていた。ところが、当然そんなエンジニアが現れるはずもなく、清掃員もそれが分かっているので、彼は飛行機を追い出されてしまう。

後編に続く)

 

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