何がなんでも商業化が最優先される米国スポーツ(前編)

今回のワールドカップでは、「ハイドレーションブレイク(給水タイム)」の名の下、試合が必ず中断してCMが入る。サッカーファンの間では、この商業化が極めて不評のようだ。

スポーツの商業化と言えば米国が長けているが、そもそも米国由来のスポーツはマネタイズしやすいのである。

たとえば、日本でも馴染みが深い野球。アウェイチームとホームチームの攻撃が完全に分かれており、守備と攻撃のチームが入れ替わるたびに試合が中断する。各回の表から裏、そして次の回に移るだけで、少なくとも18回自然とCMを流せるわけだ。加えて、ピッチャーが交代するたびにCMを入れることができる。野球は19世紀に誕生したのに、まるでテレビ時代の商業化のために作られたようなスポーツである。

同じく本質的にテレビに向いているのがアメフトだ。

アメフトリーグNFLは試合を4等分する「クオーター制」を用いており、クオーターが終了するたびに試合が中断する。さらに、監督の裁量で使えるタイムアウトが各チームに6つずつ与えられており、タイムアウトが使われるたびに試合が中断する。また、アメフトでも守備と攻撃が完全に分かれるので、攻撃と守備が入れ替わるたびに試合が中断する。

ここまで中断があると、CMは極めて入れやすい。結果、平均3時間を超えるNFL試合の放映時間のうち、1時間がCMに費やされる。アメフトをスタジアムで観ると、フィールドで何も起こってない時間が異常に長く感じるが、これはテレビでCMが終わるのをスタジアムの観客が待つからである。観客よりスポンサーの方が優先されるとは、とても米国らしい。

野球やアメフトは本質的にテレビに向いているが、向いてないスポーツでもテレビに合わせてしまうのが米国である。

(後編に続く)

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