自分の名前探しの旅

(English version available)

林遣都という役者がいる。「バッテリー」という映画で見たぐらいなので日本で知名度が高いのかもよく知らないが、うらやましい、と思うことがある。彼の名前の事である。

漢字レベルが小六でストップだから当然の事ながら「遣都」が読めず、実はどこまでが苗字でどこからが名前なのかも分からなかった。ただ、中国人っぽいかっこいい漢字を使っている名前だな、と印象深かった。

その後、読みが「けんと」と知って、「かっこいい」が「うらやましい」に変わった。名前をローマ字にすると「Kento Hayashi」になるからだ。

くだらない事だと思われるかもしれないが、自分の バランスの悪い「Joe Sasanuma」には長年悩まされてきた。ただでさえ名前が短いぶんに苗字が長いのに、弁護士になるとつけられる敬称「Esq.」などつけたら「Joe Sasanuma, Esq.」。余りにも見てくれが悪くてみちゃいられない。よってありがたき迷惑の「Esq.」はなるべく断っている。

バランスの悪さは縦も同様。ローマ字で書く僕の名前が上にあがるのは「J」と「S」の時だけ。名前も苗字も最初の字以降は底にへばりつくような署名になる。「Sasanuma」なんてめちゃくちゃ長いから、「Sas」以降はほぼただの線である。

気を遣って名前を付けてもらった両親には少々申し訳ない苦情ではある。典型的な日本人の名前が米国で正しく発音してもらえなくて困った彼らは、子供たちに日本でも米国でも通用する名前を付けた。実は日本語の「笹沼穣」は、大変好んでいる名前。「遣都」ほどではないにしろ「穣」は自分ながらかっこいい名前だと思うし、読みも英語でなじみやすい「Joe」。その上訓読みの「みのる」という意味も良い。余談だが、両親は僕に譲り一筋の人生を生きてほしくないため「譲」という字を避けたのだが、僕も「穣」という字にこめられた期待に応え(?)意味なくでかく育った。

というわけで、高三から大学にかけてどう自分の名前をローマ字でバランスよく示そうかを考えるのに無駄な時間をかけてきた自分がいる。一時は「穣」の訓読みを生かして「J. Minoru Sasanuma」にしようかと思ったのだが、この解決案はバランスはよくなってもいろいろな面で満足し切れなかった。「Minoru」は英語で発音しにくい上、男性の名前と分かりにくい。それに名前が頭文字は変である。大体もっと肝心なことに、「Minoru」は僕の名前ではない。

次は僕のミドルネームを入れた「Joe Michael Sasanuma」にしようかと思ったのだが、これでは苗字どころか全体がべらぼうに長くなってしまう。

このようにいろいろ苦労したわけだが、めでたくも近年になってやっと満足がいける名前を使い始めた。「Joe M. Sasanuma」である。この名前は「Joe M.」が「Sasanuma」と均整が取れている。 ローマ字では苗字が少々長いほうが形がよいのだ。それに自分の名前を正確に示しているし、署名するときも「J」、「M」、「S」と三度上にあがる。まあ、「笹沼穣」のほうが気に入っているが、英語で署名せざるを得ないときは必ず「Joe M. Sasanuma」を使っている。

「Kento Hayashi」ほどではないが、「Joe M. Sasanuma」も悪くない。

 
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