有名になる夢が叶っても、いろいろずれたまま、思い通りにはいかなさそう(前編)

先日、林遣都が主役を務める舞台を観に行った。未だ小劇場にはまっているわけだが、いつもの演劇に比べて多かった若い女性の観客は、どう考えても林遣都目当ての林遣都ファンである。

そこで改めて思った。

僕も有名人になりたい、と。

この夢を友人たちに打ち明けると、概ね「水原一平みたいに逮捕されれば、有名になれるよ」といったアドバイスをしてくるのだが、僕が望んでるのはそういうことじゃない。

僕は、普通に歩いてるだけで「あの人、ジョーじゃない?」とヒソヒソ噂され、突然赤の他人に「ジョーさんですか?」と声をかけられ、目をキラキラさせた女の子に「ジョーさん、サインをください!」とねだられるようになりたいのである。

こう釈明すると、友人たちは「なにその小学生みたいな夢」とバカにした挙句、「有名人なんてプライバシーがなくていいことないよ」とケチをつけるのだが、僕は有名になることこそが自分の人生を幸せにすると信じて疑わず、ある日絶対に有名人になって、僕の夢をぶち壊そうとした周囲の輩を見返してやるのだと誓っている。

そうは言いながらも、僕は思い通りの有名人になれないだろうという予感がするのも、これまた事実である。

たとえば、ユーチューバーになって世間に露出するようになったとしよう。すると僕は、ファンに話しかけてもらえるのを期待して毎日のように渋谷をぶらぶらするだろうが、マニアックすぎる僕のYouTubeは視聴者が少なすぎて、誰にも声をかけてもらえないままスクランブル交差点を徘徊する羽目になりそうである。

後編に続く)

 
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