小学校中退の国際弁護士、偏差値78の高校入試に挑む〜戦略の巻〜(後編)

前編から続く)

でも社会にすべての望みをかける必要はないのだ。何と言っても英語がある。

米国に長年住んでいた僕にとって、英語での満点は当たり前といえる。日本の英語の試験ではしばしば意味不明な記号「ə」が現れることがあるが、開成高校ともあろう学校が入試でひっかけ問題など出題しないと信じている。

よって、英語満点で理科0点を確実に挽回。

残るのは数学と国語。。。

まずは国語から。

中学時代に通っていた塾で模擬試験というものを毎月受けていたのだが、国語の点数はいつも概ね10点台だった。開成高校の入試では国語の平均点が50点から70点であることを鑑みると、さすがに10点台はまずい。

しかし、今の僕は年間52冊の読書ノルマをこなしているエリート読書家だ。塾時代の読解力とは比較にならない。それに加え、現在の職業が論理的に物事を分析し表現することであることを踏まえると、読解力、分析力、表現力は満点水準に違いない。

他方で課題なのが漢字である。「税」と「誤」の字が書けない中、漢字の書き取りが多いと大分やばい。また、回答の記述が平仮名ばかりというしょーもない理由で減点されると、これまたさらにヤバい。

そして古典の文章などが出てきたら、理科並みに切り捨てるしかない。

国語の得点を総合的かつ現実的に見積もると、完璧な読解力から漢字と古典の欠陥を差し引いて、ざっくり30点台だろうか。

すると僕が開成高校を合格できるか否かは、数学で国語の分を挽回できるかにかかってくる。

数学といえば僕の米国大学時代の専攻だ。常識的に考えて、中学生がテストされる数学など、実用性ゼロの数学を四年間も勉強した僕にとっては朝飯前のはずである。

ただ、この「国語でダメな部分を数学で挽回する」戦略には懸念が残る。なにしろ、同じ戦術でつい最近撃沈した経験があるのだ。

数年前、転職活動中にある日本企業に応募したら、なんと本格的な国語と数学のテストを受けさせられた。この試験を受けた1時間半について唯一覚えていることは、国語なんぞ解けなくても数学で挽回できると高をくくっていたら、数学のテストでは国語以上に問題の趣旨が理解できなかったショックである。

もっとも、その時は①テストをあまり真剣に捉えていなかった、②テスト内容が大卒向けで難しかった、という今回とは大きく異なる事情が二つあった。二の舞にはなるまい。

こうして緻密な戦略を入念に立ててみると、国語のダメージを小さく留められ、英語と数学で大幅に平均点を上回ることが想定され、合格者最低点が一番低かった2017年度の試験なら合格ラインに入る可能性が最も高いと思われた。

したがって、僕は2017年版の開成の入試を受けることにした。

試験を受けた体験については受験の巻のお楽しみ。

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