有名になる夢が叶っても、いろいろずれたまま、思い通りにはいかなさそう(後編)

前編から続く)

でも、たまには視聴者から「ジョーさんですよね」と声をかけてもらえるかもしれない。すると僕は、「あ、そうです!一緒に写真を撮ってあげましょうか?」と積極的にファンサービスを振る舞おうと頑張るだろうが、それが裏目に出て、「いや、別にファンじゃないので」とせっかく話しかけてくれた人にそそくさ逃げ出されてしまいそうである。

でも、友人と食事をしてると、「ジョーさん、いつも見てます!」と隣の席に座ってるファンから応援の言葉をもらえるかもしれない。すると僕は、ファンを喜ばせねばと友達をほったらかして隣のテーブルに移動しては、腕時計を見せびらかした飛行機事故の話をしまくるだろうが、実はそのファンは小室圭が所属している法律事務所の話にしか関心がなく、どうでもいい話に飽き飽きして僕のファンであることを辞めてしまいそうである。

でも、稀ながら「ジョーさん、サインをください!」と頼んでくる本当のファンが現れるかもしれない。すると僕は、待ってましたとばかりに「人生いろいろ、将棋もいろいろ」と書いた色紙をプレゼントするだろうが、そのファンはせっかく毎日練習に励んで作り上げた僕のサインを「こんな汚い字ならいりません」と突き返してしまいそうである。

でも、1人くらいは、「誰がなんと言おうと、私はジョーさんの大ファンです」と追っかけになってくれるかもしれない。すると僕は、どこに行ってもそのファンを探してはいつも以上にカッコつけるだろうが、1日でも姿を見つけられないと、「先日はどうしたん?なんで僕のことを追っかけてなかったの?」と反対に僕がファンにつきまとってしまいそうである。

このように僕は、せっかく有名人になれても、なんかいろいろずれたまま、林遣都のようにはなれない気がする。

 
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