「15%」を信じて受かった、ニューヨーク州司法試験(後編)

前編から続く)

そう言われては、当然僕としてやるべきことは、その科目を切り捨てることである。3年間ましな法律を学ばなかった遅れを、2ヶ月間の追い込みでリカバーしようとしているのだ。出題されない科目を勉強してる余裕などない。

万一出題されても、「15%ルール」があるのだから致命的にならないはず。そう割り切って大胆な戦略に出たくせに、小心者の僕は、土壇場になって不安になった。試験の前の晩、焼け石に水と思いながらも、切り捨てたはずの科目の資料にさらっと目を通して、就寝した。

こうして迎えた試験の当日。

早めに試験場に向かって自分の席に座り、「15%」のおまじないを唱えていたら、可愛さなら確実に上位15%に入る小柄の可愛い子が隣に座った。この子の存在でいい気分になれたところで試験開始となり、最初の問題を読んでみると、なんと、昨晩寝る前におさらいした科目ではないか。

「ラッキー」と上機嫌になったところで、なんか隣から不穏な空気が流れてきた。ちらっと目をやると、可愛い子ちゃんがたった2分目ですでにパニック状態に陥っている。「かわいそうに、この子の受験の能力は、可愛らしさとは真逆の15%に入るんだな」と競合の品定めをして、この瞬間、僕は一問も解いてないのに自分の合格を確信した。

そしてそのとおり、僕はニューヨーク州の司法試験に合格。可愛い子ちゃんの合否は知らない。

こうして受かった司法試験だが、先日ひょっとしたことで、最近どんな問題が出題されてるのか調べてみたら、全てがちんぷんかんぷんだった。

受験した当時、僕は15%の確率にだけ頼って合格したと思ってたけれど、ちゃんと勉強した効果はあったようである。

そこで思った。

ちゃんとやれば、僕はできるんだ。

中学受験も高校受験もきっとそうだ。

次はちゃんと勉強すれば、中学受験高校受験に成功するはずだ。

 
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