僕は学歴詐欺だけはしていない(後編)

前編から続く)

もとあれ、早期卒業はあっても留年は稀である米国では、4年間で大学を卒業するのが常識だ。

私立大学の4年間の学費は平均22万ドル(3000万円超)。留年は本人および家族の経済状況に打撃を与える一大事なので、大学側も各学生が4年以内に卒業できるよう最大限の努力を尽くす。ボストンカレッジにいた頃の僕は、1年生の時から指導担当の教授がついていて、毎学期、僕は彼から卒業に向けての進捗を確認されるだけでなく、次の学期で受けるべき授業について彼と協議していた。

さすがに大学院ともなるとそこまで細かく指導されることはないが、それでも学校側が各学生を適時に卒業させるための管理をしていることには変わりない。

実際、僕はその管理に救われている。

ボストンカレッジロースクールにいた3年生の2学期目のある日、卒業があと数週間と迫っていた最中、 突然事務局から僕に「貴君はこのままだと単位が1つ足らなくて卒業できないけど、大丈夫か」みたいなメールが送られてきた。

もちろん大丈夫なはずがない。だが、この恐ろしい忠告のおかげで、僕は教授に頼んでレポートを書くことで単位を1つ増やしてもらい、無事留年せず卒業することができた。

米国の大学は入るのは簡単だけど卒業するは難しいとよく言われるが、僕は出口だけでなく入口でも十分苦労した。

ロースクールを受けた時、僕は過大な自己評価のせいでどの学校からもことごとく落とされてしまい、最後の望みだったニュージャージー州立大学への出願書の提出は極めて慌ただしかった。すると数週間後、同校の事務局から僕に「願書に必要な志望動機書が添付されてなかったのですが、大丈夫ですか」みたいなメールが送られてきた

もちろん大丈夫なはずがない。だが、この親切な忠告のおかげで、僕は志願動機書をメールで送ることで、事なきを得て無事入学できた。

このように僕は、本当に米国の弁護士になれたのか疑いたくなるような学問の経歴を経てきているが、紆余曲折の学歴だからこそ、保証できることがひとつだけある。

僕は学歴詐欺だけはしていない。

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