忙しくて大変そうな天才にもそのサポート役にも、同情は不要(後編)

前編から続く)

このサイクルが永遠と繰り返されるサポート役は、ほとほと疲れてしまう。こういう人たちの口からは、もっぱら「OOOさんに付いていくのは大変なんです」とか「OOOさんと一緒にいると疲れます」みたいなぼやきしか聞こえない。そんな話をされると、僕としても労いの言葉の一つか二つをかけてあげたくなる。

しかし、よくよく話を聞くと、実は彼らも同情は不要だったりする。

というのも、こういう人たちに対して「どれくらいサポート役を務めているんですか」みたいな質問をすると、「10年以上です」といった回答が普通に戻ってくる。なんのことはない、この人たちも好きでやっているのだ。僕なんか、10年間どころか5年間も同じ人と仕事をしたことがない。

まあ、確かに、いつも他人が起こした台風に引き込まれていては、苦情の一言も言いたくなるような毎日になるだろう。実際、大変疲れるのだと思う。でも、だからと言って楽な生活を求めて現在の環境を去っても、退屈になるだけだ。大変であるということは刺激があるということであり、刺激のある環境に10年間も身を置いていた人が、生温い環境に移っても満足できるはずがない。3ヶ月で逃げ出すだろう。

結局のところ、サポート役というのは常に異常な人間のそばにいるので、自分も実は異常であるという感覚が薄れてしまっているだけなのだ。

だから僕は、このような人たちが愚痴を口にするとき、いつもこう返すのだ。

「大変ですね。でも、あなたも同じなんですよ」と。

 

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