忙しくて大変そうな天才にもそのサポート役にも、同情は不要(前編)

僕の周囲には、売上数十億円の会社を築き上げたり、ひょこっと首長になったり、天才というべきか実力者というべきか、並の人なら挑戦しようとも思わないことを成し遂げてしまう人が少なからずいる。

一時昔の僕は、こういう人たちを見ては、「行動力がある分、常に忙しくしていて、休暇どころか睡眠も取ってなさそうで大変だなあ」と同情していた。

しかし、最近の僕はこの考えを改めるようになった。なにせ、こういう人たちは、自分の願望の赴くままにただ駆け抜けているだけなのだ。はたから見たら辛いように見えるかもしれないが、本人からしたら、自分がやりたいことをやっているだけで、実は楽しいに違いない。好きなことで満喫できている人は、心配ご無用、放っておくに限る。

他方で、心配したくなるのが、こういう人たちの周囲にいるサポート役である。

天才や実力者に共通しているのが、ゴーイングマイウェイであることだ。ある日突然出馬するだの、明日から急に新しいプロジェクトを立ち上げるだの、来季から海外進出するだの、本人にとっては素晴らしいひらめきであっても、周囲にとってはたまったものではない。

というのも、周囲のサポート役は天才・実力者の思いつきに必ず巻き込まれてしまうのだ。天才・実力者本人は新しいアイデアを思いついてはその実現に向けて暴走し、それが周りでどれだけの迷惑や問題を引き起こしているのかまったく自覚していない。そこでその状態を見かねたサポート役が事態の収拾のために動いては物事を何とか纏めるものの、天才・実力者本人は問題が起こっていることもそれがなんとか解決されたことも知らぬが仏で、次に思い浮かんだアイデアの実現に向けてまた暴走する。

後編に続く)

 

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