「2000円紙幣が使えなくなることを危惧している」〜2000円札博士ジョー氏の話(後編)

(前編から続く)

一時は2000円札の流通を増加させるために銀行員のボーナスが2000円紙幣で支払われたことが話題になったが、今では、2000円札はすっかり忘れられた存在になりつつある。現代の高校生や大学生の中には2000円札について聞いたこともない学生が少なくなく、私がある学園祭の出店で使った時など、まるで偽札であるかのようにじっくり確認されたことがある。

ゆかり深い沖縄では2000円札が流通していることはよく知られているが、実は琉球まで行かなくとも、近くの銀行で2000円紙幣を入手できる。新発行当時、どの銀行も日銀から2000円札紙幣を押し付けられたので、今でも窓口で頼めば奥の金庫に眠っている在庫から出してきてくれるはずだ。国民の皆様には是非、次回銀行の窓口で手続きをする際に、ついでに2000円札への両替を試みることを呼びかけたい。

この度の紙幣刷新で私が危惧するのは、2000円紙幣の利便性が失われることである。先ほど言った通り、今の日本では2000円札は決して不便な紙幣ではない。しかし、今後2024年の新紙幣発行に向けてありとあらゆる自動販売機や券売機が取り替えられる際に、流通数が少ない2000円札を受け付けない機械が導入され、真に2000円札の使い勝手が悪くなってしまう恐れがある。そうなってしまうことは、日本の歴史と文化にとって大きな損失である。

そうならないようにするためには、すべての自動販売機で2000円紙幣が使えることを保証する法律が必要だ。この重要な法整備を行わないまま紙幣刷新を発表してしまった安倍政権に対して、私は無責任さを感じてならない。2000円札が代表する日本の歴史と文化を守るための「2000円札の存在と利便性を確実かつ永久的に保証する法案」の成立が今国会の急務である。

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