「赤いアメリカ」に行ったことがなければ、米国を知っているとは言えない(後編)
(前編から続く)
僕は「トランプに投票した米国人」をイメージする時、いつもキングスポートを思い出す。サムの家はサリバン郡に所在しており、トランプ大統領はそこで2016年に75%、2020年に76%、2024年に77%の票を獲得している。確認したことはないが、サム本人も2016年くらいはトランプに投票したのではないかと思っている。
キングスポートは典型的な「赤いアメリカ」だ。そして日本人の大半は、こういった地域の米国を知らない。なぜそれがわかるかというと、ANAとJALは11もの米国都市に直行便を飛ばしているのに、すべての行き先が「青いアメリカ」、すなわち大統領選で民主党が勝つ地域だからである。
よって僕は、米国に行くことを検討している日本の人には必ず、ルイジアナ州のニューオーリーンズ市に行くことを勧めている。
ルイジアナ州はもともと、フランスの植民地であった。その由来から、ニューオーリーンズの食事はめちゃおいしい。高級レストランはもちろんのこと、ご当地料理であるガンボも逃せない。文化的にはジャズの発祥地として音楽を堪能できるし、お祭り気分になりたいのであればマルディグラの季節に行くといい。
このようにニューオーリーンズは市内だけでも十分楽しめるが、市内は真っ青な「青いアメリカ」である。市外も経験しなければ、わざわざニューオーリーンズに行く意味がない。なのでニューオーリーンズに行った暁には、バスのツアーに参加するなりして、昔は大農園だった市外を回って欲しい。奴隷制度の名残を経験しながら、「赤いアメリカ」を肌で感じることができる。
ニューオーリーンズは日本からたった1回の乗り継ぎで行ける。考え方によってはそんなに遠くないので、ぜひ「青いアメリカ」と「赤いアメリカ」を一緒に経験してきていただきたい。
