僕の将棋が勝つときは、イジメに見えるらしい(後編)

前編から続く)

相手が最初からじっくり構えるタイプだと、僕はとても困る。ドラクエに喩えれば「ガンガン行こうぜ」である将棋が、序盤から通用しないからである。そうなると僕は早々と負けを悟り、もはや将棋とは呼べないほどお粗末な戦いで終始する。

このように僕の将棋は、序盤だけが優勢か、いいところがまったくないまま負けるのがオチなのだが、実は勝ち筋が1つだけある。それは、序盤で差をつけて、中盤で差を広げて、終盤で差を決定づける将棋だ。つまり、相手が最初から僕の攻撃に圧倒されて、そのまま総崩れになるパターンである。

これはまさに「無理が通れば道理が引っ込む」展開だ。そしてこれは、相手が小学生以下の男子だと最も期待できるのである。

ところが、この将棋は側から見ると、イジメに見えるらしい。

最近、僕は団体戦に出て、久しぶりに大会で一勝を収めることができた。その時の僕は作戦が見事にハマり、相手が何もできないまま、圧勝に終わった。僕はめちゃ嬉しかったのだが、これを見ていた仲間の間では、「ジョーは相手が弱いと容赦ない」という評判が定着してしまった。いつものヘボ将棋とのギャップが、相当印象深かったようである。

だが、これは極めて不本意だ。いつもの僕は、勝てる将棋を落としては仲間に迷惑をかけているので、その時ばかりはしっかり勝たなければと肝に銘じ、とにかく攻め続けただけなのに。

ということで、将棋を指すときの僕は、相手が弱いときだけイジメに出る負け犬と同じらしい。

これは性格として最低だが、将棋としても威張れるものではない。

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