意外かもしれないが、僕は食生活も、読む活字も、仕事の仕方も、極めてジャパニーズ(後編)

前編から続く)

しかし、食生活より読書より意外に思われるのが、僕の仕事の仕方である。キャリアをアメリカで始めたわりには、僕はアメリカでの仕事の仕方にとことん合わない。

日本では、案件があるとスケジュールを引き、マイルストーンを設け、目標に向けて作業を進めながら、頻繁に進捗確認を行う。何ヶ月も先までタイムラインが決まっていて最終目標も明確なので、何よりも粛々と前進していくことが求められる。万一マイルストーンへの変更が必要になるような事態が発生すれば役員を巻き込んだ一大事になりかねないが、十分前もって調整と根回しさえしておけば変更できるので、予測性が担保できていることに変わりはない。

毎日確実性があり、ホウレンソウがまったく苦にならない僕にとって、これこそ理想な職務環境である。

ニューヨークで働いていた時はこうはいかなかった。

金曜の夕方に呼び出されて月曜朝一に発表される案件に巻き込まれるくらいならまだマシで、前夜に決めたはずのことが翌朝には方針転換されるみたいなことは日常沙汰だった。このようにころころ変わる環境では臨機応変に対応することが求められるため、僕が得意とする調整や根回しはまったくもって価値のないスキルであった。

今でも忘れられないのが、ニューヨークから日本への転勤が決まった時。抱えていた案件の引き継ぎを行うべきだと思って上司に後任の指名を依頼しにいったら、「今その案件で必要な作業はないんだろ?なら、後任は指名しない」と言い切られてしまい、改めて僕はアメリカの考え方に合っていないことを思い知らされてしまった。僕が後任だったら引き継ぎがなかったことにイラついただろうが、実際に僕を引き継いだアメリカ人の同僚はなんとも思わなかったのだろう。

このように僕は、仕事の仕方も、読む活字も、食生活も、極めてジャパニーズなのである。

 
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