僕はコンビニの元バイトのツダくんに勝利宣言する(前編)

(このブログは、一昨年最も評価が高かった「僕は近所のコンビニで働いてるツダくんに認めてもらいたい」と、昨年の続編「僕が執着するツダくん(とワタナベくん)とのその後」の完結版です)

近所のコンビニのバイトのツダくん。優秀な彼とポイントカード読取機を交えてバトルを繰り広げていた僕は、とうとう彼に対して勝利を収めることに成功した。

一時期はだいぶ劣勢だったのだ。

昨年家族から指摘を受けたとおり、このコンビニのポイントカードは200円未満の買い物ではポイントがつかない。ところが、通常僕がこのコンビニで行っている買い物は、130円のサラダミックス。つまり、2年近く、僕はまったくもって無意味な行動に奮闘していたわけである。この恥ずかしい事実が判明した直後から、僕はポイントカードを出すのをやめた。

ポイントカードを使わないことを初めてツダくんに伝えた時の彼の勝ち誇った表情を、僕は一生忘れないであろう。彼は頷きながら、あたかも「最初からそうしていればよかったのだ」という感じで急に愛想が良くなった。その瞬間、僕はまだツダくんとのバトルが始まったばかりの頃、彼に「ポイントはつきませんよ」とぶっきらぼうに言われたことを思い出した。振り返ってみれば、あれは200円未満の話だったのだ。さすがのツダくん、最初から勝利を確信していたわけだ。

こうして僕が敗北者になることが濃厚になった頃、想定外の理由で急に僕とツダくんとのバトルが急転直下する。

発端は、コロナ以降、ヘボ料理に励むようになってお世話になり始めた肉屋が閉店してしまったこと。なんの前触れもなく、こんな張り紙が貼られているのをみて、閉店したことを知った。おじさんに「いつも、おいしい肉をまずい料理に使って申し訳ありません」と謝る機会もないままに。

この肉屋が閉店したことで、僕とツダくんとの関係が大きく変わってしまった。というのも、それ以降、僕は肉を買うために遠出をするようになり、夕食のサラダは帰りがけのスーパーに寄って買うようになったのだ。これは、決してツダくんを恐れていたからではない。スーパーの品揃えとコスパを重視しただけである。

後編に続く)

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