ジャンボ宝くじで当たった(らの)7億円の使い道

おかしなことに、今年もサマージャンボが当たらなかった。

何か手違いがあったと思われるので、年末ジャンボで状況が是正されることを祈っている。そうでないと困るのだ。何しろ宝くじが当たった際の7億円の使い道を既に決めているので。

それは、熟慮のうえ立てた精密な計画である。

まず最初に、今までお世話になった方々に感謝を示すため、豪華なファミレスジョナサンを貸し切って数百人に渡る親族や親友に予算5万円でお昼をご馳走する。主催者である僕は1万円分の食事で我慢するので、皆様には残りの4万円で満腹になるまで食べていただきたいと思う。

食事といえば、外食する度にジョナサンだと3,400円、すしざんまいだと14,000円という半端ない金額を消費する僕にとって、高いエンゲル係数は長年の悩みの種となっている。この問題の最終かつ永久的な解決のため、投資ファンドを設立し、1億9995万円を運用することによって僕の残りの人生の外食費を捻出していこうと考えている。

恩返しが終わり将来の食料が確保されると、次に対処したくなるのが腕時計依存症である。

この病気と何年間も闘い続けてやっと気付いたのは、腕時計が欲しいという極めて合理的な要望を我慢しようとするから症状が悪化する、ということである。腕時計依存症に対する最も効果的な治療は、欲しいと思った腕時計を飽きるまで購入し続けることなのだ。

今年のサマージャンボの抽選日は8月14日だった。翌日から日本橋で例年の三越ワールドウォッチフェアが開催されていたので、予定どおりサマージャンボが当たっていれば、直ぐに三越本店に足を運び、100万円のブライトリングから、400万円のグランド・ランゲ1や700万円のパテックノーチラス、さらにはパーペチュアルカレンダーとトゥールビヨンを搭載した3200万円のジャガー・ルクルトを赴くままに購入し、腕時計依存症が完治されているはずであった。

ところがサマージャンボが外れたことでその予定が狂ってしまい、今年のウォッチフェアでは何も購入できず、ますますストレスが溜まり、病気がとうとう重篤になってしまった。年末ジャンボが当たった暁には、来年の三越ワールドウォッチフェアに備え2億円を治療費として蓄えておくつもりだ。

体調と精神状態が回復したら、残りの3億円は将来のためにしっかりと運用していく。

運用の方法はまずは株。今まで投資してきた銘柄は下落する一方だったが、現在僕が目を付けているのは米国で2番目の規模の墓地運営会社。近年は経営の失敗だの過剰債務だの社長辞任だの有価証券報告書の提出遅延だので苦戦している株価だが、人生において「死」ほど確実なものはないので、この会社に1億円投資すれば1年以内に100億円に増えることがほぼ保証されている。

そして最後の2億円は次のジャンボ宝くじに再投資する。僕にはプロのアメフトチームを買収する予定があり、1000億円以上の資金が必要な中、7億円などはした金である。必要な資金の確保に向けて、買わないと当たらない宝くじに再投資するのは当然だろう。

 
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