日本の教育に欠けているのは、議論をする訓練(後編)
さらに印象に残ったのが、議論のレベルの高さだ。投票年齢を14歳まで引下げることにはメリットもデメリットもある。大人が議論しても「正しい答え」は出てこない。あの日にあの教室で出てきた争点は、まさに大人の議論でも出てくるものである。ここまで高度な議論が行えるのは、日頃の社会勉強があるからこそだ。
昨年、僕は米国の中学校で米国憲法を教えるというボランティア活動に参加した。
教えたクラスは30人くらいの中学一年生。授業の内容は表現の自由についてだったが、ふとしたことで、投票年齢を18歳から引下げるべきかという議論が勃発した。