WBCは米国がスポーツビジネスに長けてる証(後編)

前編から続く)

WBCはメジャーリーグが主催者だ。サッカーワールドカップやオリンピックは、国際サッカー連盟(FIFA)や国際オリンピック委員会(IOC)といった国際的な組織が主催していることを踏まえると、所詮は米国のスポーツリーグに過ぎないメジャーリーグが主催しているWBCは異質である。

メジャーリーグは個人が所有者である球団から構成されるので、常に利益を増やすことを優先する。よって、WBCとは、極めて限定的な地域でしか人気がない野球というスポーツを、国際的な大会を通して世界的に盛り上げることで、グローバルなビジネスに築き上げるという偉大なプロジェクトだったのだ。

その点で、WBCは間違いなく成果を上げている。もともと野球が盛んな日本やカリブ海諸国でWBCは驚愕な視聴率を達成しているし、メジャーリーガーが皆無の欧州でさえも、ドミニカ共和国を破ったオランダが2009年に注目され、米国を破ったイタリアが今年は注目された。

最近の米国スポーツは、自国が発祥地であるスポーツを国際化することに極めて熱心だ。NFLは2007年以降、毎年ロンドンで試合を開催してアメフトのファンをイギリスで定着させており、近年はドイツやブラジルでも試合を行うようになった。NBAは90年代に中国へ積極的に進出し、その後2000年代に姚明(Yao Ming)がNBAで活躍したこともあって、今ではバスケが中国で最も人気のあるスポーツになっている。

これはビジネス的に言えば、いわば海外進出である。米国はスポーツの国だが、その裏には、スポーツを単に「趣味」としてだけではなく、「ビジネス」としても捉えることへの拘りがある。日本も国技である相撲を海外進出させるべきとまでは言わないが、国民の間で人気が高い野球やサッカーにおいては、米国を見習ってもう少しビジネスの面に力を入れてもいいのではないかと思う。

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