悪循環に陥った株式市場には抗えない(後編)

前編から続く)

すると定番のように出てくる話が、「粉飾決算」だ。どんな時でも業績が悪い会社は決算を粉飾してでも資金を調達しようとするが、市場が冷え込むと粉飾するインセンティブが高まる。そして、どんな粉飾も基本的には問題を後送りにしているだけなので、下落市場になるとある日突然自転車操業があっけなく崩壊する。

このような世界になったら、もはや抗うことはできない。

投資家の否定的な感情が引き金となり、株式市場が暴落し、資金調達が困難になり、劣弱な企業が淘汰され、大半の粉飾が発覚しないと、膿が出てこない。そして、すべての膿を出し切らないと、市場は健全な状態に戻れない。

悪循環に入ってから終わるまで何年かかるかは状況によるが、間違いないのは、その期間の間、たとえ株式市場が急上昇しても、惑わされてはいけないということだ。膿を出し切れていないのであれば、上昇も一時的なものでしかなく市場は下落相場に戻ってしまう。

そんな時、素人の投資家は無力である。悪いニュースしかない日々の市場に耐えられないのであれば、そもそも株への投資に手を出してはいけない

 

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