暴落するかもしれない覚悟がないなら、株に手を出してはいけない(後半)

前編から続く)

僕は投資に関するうまい話はありえないと確信しているので、今の世の中は下げ相場の兆候だと思えて仕方がない。

日常のように、SNSで株で儲けた話が投稿され、YouTubeで投資勧誘の広告が流れる。そして、何より、今まで投資をしたことがない人たちが、僕に投資の相談をしに来る。これはまさに、高校時代、株式市場大暴落の直前に、食堂のおばちゃんが僕に株の話を振ってきたことを思い出させる現象だ。

多くの素人が投資に興味を示すようになるのは、株式市場がうなぎのぼりで、誰しもが株に投資すれば儲かると確信している時である。それはまさにバブルだ。そしてバブルが崩壊した途端、大半の人は投資に対する関心を失い、僕への相談も消える。

遅かれ早かれ、長期的な下げ相場の時代は訪れる。そしてその時代が訪れると、毎日苦労して稼いだ金が、浪費しているわけでもないのに、みるみる消えていく。

これは、過去に何度も繰り返されてきたことだ。

リーマンショックの際には、アメリカの代表的な株価指数であるS&P 500が1年半で57%暴落した。ITバブルが崩壊した際には、多くのハイテク株が上場しているナスダック市場が2年半で78%暴落した。「ブラックマンデー」と呼ばれるようになった1987年10月19日には、たった1日でS&P 500が20%暴落した。

株式市場が暴落している時に感じる辛さと無力感は、実際に経験してみないと分からないものである。それに耐えられる自信と覚悟がないのであれば、決して株に手を出してはいけない。

 

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