ジョーのインタビュー〜恐れる以上に得るものはない(後編)

前編から続く)

—そんなことしかないんですか。じゃあ、なんか取り柄はあるんですか?

ジョー  うん、僕は金の亡者だよ。

—「取り柄」の意味、分かってるんですか?

ジョー   うーん、国語は苦手なんだよね。そのせいで中学受験に失敗した

—じゃあ、数学は得意なんですか?

ジョー   いや、数学も苦手なんだよね。高校入試では4点だった。

—じゃあ、何が得意なんですか?

ジョー   マンボウのモノマネ。それを見たことがある人に、「マンボウが人間になったら、まさにそんな感じになると思います!」って褒められたことがある。

—本当にしょーもないですね。功績も取り柄も特技もないなら、少なくとも何か頑張ってることはあるんですか?

ジョー   うん、もう何年間もしゃぶしゃぶ食べ放題の温野菜で肉15皿のノルマを達成しようと頑張ってるんだけど、いつもあと一歩及ばない。

—もっとましな頑張りはないんですか。

ジョー   最近の僕は、ツダくんに認めてもらえるように一生懸命頑張ってる

—誰ですか、そのツダくんって?

ジョー   近所のコンビニでバイトしてる大学生。とても優秀なんだよ

—そのツダくんと何があったんですか?

ジョー   彼は僕がマヌケなバカだと思ってる節がある。

—実際にそうなんだから、仕方がないんじゃないんですか?

ジョー   君、結構失礼だね。

—どうやったら今までの話を踏まえてジョーさんがマヌケでもバカでもないっていう結論が出せるんですか?

ジョー   僕の才能をちゃんと見極めて欲しいね。

—じゃあ、どんな才能があるんですか?

ジョー   飛行機事故の検証2千円札選挙腕時計駄作映画ヘボ将棋に関して300時間の講義ができる人って、この世に僕しかいないと思う。

—そのすべてのトピックにどんな関連性…あ!もういいです!

ジョー   え、なにが?

—ジョーさんをインタビューしてるとこっちまでバカになってくるのがよくわかりました。

ジョー   それってどういう意味?

—本日はありがとうございました。

ジョー   まだ59分も残ってるよ。

—1分だけでも時間を無駄にしたことを猛烈に後悔しています。

ジョー   じゃあ、また次回。

—世の中のためにも、ジョーさんがもう二度とインタビューを受けないことを祈ってます。

 

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