社交性に長けているはずの僕は、怪しくて空っぽに見えるらしい(後編)

前編から続く)

僕がこのように多くの新人さんをまめに歓迎していることを周囲に自慢げに語ったら、褒めてもらえるどころか、もう少し自分の立ち位置を踏まえて行動したほうがいいと釘を刺されてしまった。僕の役職を踏まえると、僕の「ようこそメール」は受信側からしたら相当怪しく映りかねないらしい。

もちろん僕はそんな指摘に耳を傾ける性格ではない。よって、「ようこそメール」に律儀に返信してくれた人とは、次に対面ランチを企画することにしている。僕はここで、当然として、自分のもともとの「ようこそメール」が怪しげに思われていて、それにわざわざ返信してくれたことが単なる義理だとは考えもしない。

この歓迎ランチを僕は「ベストフレンドランチ」と呼んでいる。この名称には、「一度ランチをすれば、ベストフレンドになったのも同然」という気持ちがこもっている。

もっとも、僕はすべての新人に対して同じ行為を繰り返しているので、多い時には週1度の頻度で「ベストフレンドランチ」を実施している。「ベストフレンド」、すなわち「最も親しい友人」は、その定義上一人しかいないので、必然的に僕のベストフレンドは数日ごとに塗り替えられていることになる。

僕のこの節操なさを性格診断テストはピンポイントで当てており、「あなたは、すぐに人と親しくなったと思うと別の人に行くため、浅い、誠意のない人だとみなされる場合があります」と注意している。

なるほど、社交性に長けているはずの僕は、はたから見たら、どうやら怪しくて空っぽの人間に映るらしい。

 
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