2019年11月 18日
僕は府中刑務所に住みたいと思ったことがある(後編)
(前編から続く)
刑務所はホテルではない。クレジットカードではなく有罪判決を提示しないと宿泊させてくれない場所である。
さらにややっこしいことに、日本には執行猶予という処分がある。この中途半端な判決を食らうと、前科はあるが入所はできないという、最悪の状態に陥ってしまう。
他方で、矯正された暁には自由な生活に戻りたい。いくらふだらしとはいえ、さすがの僕も十数ヶ月ほどムショ生活をすればましな人間になれると思われる。1年、長くとも2年したら出所したい。生涯を刑務所で過ごすなんぞは御免である。
ということで、執行猶予よりは重い、しかし無期懲役にはならないという都合のいい犯罪が必要なのだが、僕は刑事法について全くの無知なので、どの犯罪をどう犯したらいいのか、さじ加減がよく分からない。どっかの山奥にある豪邸別荘に空き巣に入り、100億円分の2000円札がびっしり詰まっている金庫をえっちらおっちら背負って担ぎ出してみるのはどうだろうか。
さらに、僕が入りたい刑務所はピンポイントで府中刑務所と決まっている。推測するにあたり、府中刑務所は一般開放されるくらいだからピンからキリのうちピンに当たるに違いない。キリの刑務所で矯正されるのはお断りだ。
米国では、司法取引という制度を通じて、被告人がどの刑務所で服役するか検事側と交渉することができる。最近日本でも司法取引制度が導入されたので、入所する刑務所を取引の対象に含めてもらえないものだろうか。
どうやら、いろいろと法律専門家からアドバイスを受けた方がよさそうである。
相談に乗ってくれそうな弁護士を探し始めたところで、やっと我に返った。