2000円札へのこだわりがある僕は、新紙幣とは無縁(後編)

前編から続く)

用紙の記入が終わって案内されたのは、特別に設置された両替の列ではなく、一般手続きの列。どうやら、この日ばかりは2000円札への両替は”両替”と見做されないようである。

そして待つこと15分。近年2000円札への両替が極めてスムーズになってきたこの支店で久しぶりに待たされながら、僕は次から次へと現れる新紙幣希望者を見ては「どうせいずれは手に入る紙幣でなんでこんなに熱心になれるんだろう」と疑問に思った。誰も使ってない紙幣を熱心に流通させようとしている自分のことを棚に上げて。

さらに、新紙幣両替列に並んでる人をよく観察すると、両替に慣れていないことが一目瞭然である。現金を持ってきてないのに引き出し用紙ではなく両替用紙に記入してたり、11枚以上両替しようとして手数料を取られたり、どれも両替ベテランの僕なら犯さない過ちばかりだ。

そんな素人で溢れかえっているのに、列はすごいスピードで捌かれていく。僕が待っている間、何人もの人が新紙幣をもらっては満足そうに帰っていき、銀行がこの日のためにどれほど準備したのかがひしひしと伝わってきた。

後回しにされた僕がやっと呼ばれると、窓口の人に「長らくお待たせして申し訳ありません」と謝られた。それを聞いた僕は「今日は大変ですねー」とねぎらったのだが、実は僕がしなければならなかったのは、このクソ忙しい日に空気を読まず無駄な事務作業を増やしたことに対する謝罪であった。

**********

このブログの愛読者は、この投稿の一つ前が「こうして、無事、僕の[A380の飛行機に乗る]大きな夢が叶うことが確定した。叶った夢が期待を超えたのか、それとも期待を裏切ったのかは、次回のお楽しみ」と括られていたのに、「次回」であるはずのこの投稿が、A380よりさらにどうでもいい2000円札の話になっていることに気付いたかもしれない。

これを僕は「ムーンレイカー現象」と呼んでいる。1977年に公開されたジェームズボンド007映画「私を愛したスパイ」のエンドロールでは次回作が”For Your Eyes Only”になると告知されていたにもかかわらず、実際に1979年に公開された次回作は「ムーンレイカー」だった。理由は製作者が1977年に公開されて爆発的な人気となった「スター・ウォーズ」に便乗する方針に転換したからである。結果、”For Your Eyes Only”は1981年に「ユア・アイズ・オンリー」として「ムーンレイカー」に次ぐ作品として公開された

このブログも同じで、当初作者はA380/ハワイ旅行に関して投稿する予定だったが、新紙幣ブームを見てそれに便乗することにしたのである。ご安心いただきたい。「A380目当てのハワイの旅」シリーズは復活する。

Series Navigation<< 2000円札へのこだわりがある僕は、新紙幣とは無縁(前編)
 
2 Comments

コメントを残す

Translate »