小室圭が担当している「G-BRIDGE」の業務は、日本の法律事務所では考えにくい(後編)
(前編から続く)
米国は弁護士が社会に満遍なく浸透している国である。一般人にまで浸透しているが故に「米国は訴訟社会」と言われるが、米国では公共の世界にも弁護士がわんさかいる。
米国政府の省庁には法務部があり、契約交渉や訴訟対応はそこにいる弁護士が担当する。自治体も同様で、州には法務部所属の弁護士がいるし、小さな自治体は町弁を顧問弁護士として起用している。こういった弁護士は、様々な縛りがある公共の世界の法律や慣習に精通している専門家である。
政府側に専門の弁護士がいれば取引相手となる民間企業側にも専門の弁護士がいるのも自然なことで、国防総省に戦闘機を納入している航空機製造会社ボーイングは、公共専門の法務部員が必要な会社の代表例だ。
専門家がいるのは取引の当事者だけではない。米国政府と民間企業の間で訴訟が起こると、その訴訟は米国政府が被告である民事裁判のみを管轄とするUnited States Court of Federal Claimsと呼ばれる特別な裁判所が処理する。
政府、企業、そして裁判所にまで専門家がいると、当然のことながら、特化した学問分野が存在する。あまりのトラウマで都合良く忘れていたが、僕自身、ロースクール時代に「政府との契約(Government Contracts)」という授業を受けていたのだった。
こうした背景を理解すると、法律事務所であるローウェンスタインがなぜ公共コンサルみたいなことができて、そのような業務をやりたくなるのかが分かってくる。
政府と多くの取引がある企業で実績を積んだ弁護士と政府に長年務めていた弁護士が集まっていれば、ローウェンスタインは事務所として官民取引について詳しくなる。民間側と政府側の双方の事情に精通しているので、政府と民間企業を繋げることもできる。
両者を繋げた後、政府側のニーズと民間企業のサービスがうまく合致すれば商談の話になり、その取引を成立させるためには、知的財産や輸出入規制等に関する法律アドバイスが求められる。
ここでやっとローウェンスタインの本業の出番だ。法律について相談を受けたい企業は、自然と、取引相手先となった政府機関を紹介してくれたローウェンスタインに依頼するだろう。
小室圭はこれまた随分とマニアックな世界に入ったものである。
「米国は訴訟社会」という言葉は聞いていますが、なるほどそういうことなのですね。勉強になりました。
はい、アメリカはめちゃ弁護士が多いのです。どこにもいます。笑