趣旨を誤解した人に誘われた「ナイトプール」(前編)

夏である。僕が大っ嫌いな季節である。

夏なんて何一ついいことはないが、昨年参加した「ナイトプール企画」はそれなりに楽しかった。

ことの発端は、ある友人が「夜のプールに行きたい」と唐突に言い始めたことである。何のことかと思ったら、夏は都内のホテルのプールが夜も解放されるらしく、具体的な提案として、ホテルニューオオタニ品川プリンスホテルのナイトプールの案内がLINEで送られて来た。

ホテルニューオオタニの案内はこんな感じ。夕方6時から夜9時まで楽しめて、外来者の料金は13,000円。なかなかのお値段だが、アルコールを出すプールサイドダイニングが夜まで営業しているのを見て、僕は大人のゴージャスバカンスをイメージした。さすが、ホテル御三家

一方、品川プリンスの案内はこんな感じ。より早い夕方5時から夜9時まで楽しめて、外来者の料金はお手軽な6000円。アルコールが飲めないことはさておきながら、巨大な白鳥の浮き輪が写ってる写真を見て、僕は騒々しいアメリカ大学生が春休みに集まるメキシコのカンクンをイメージした。

ゴージャスとは程遠い僕らは、どっちに行くか迷うこともなく、庶民の品川プリンスホテルに即決めた。

そして、当日。僕が持参したのは、ビーチタオルに文庫本、そしてサンダル。つまり、ビーチグッズである。

5時のオープンに間に合うように行くと、言い出しっぺの張本人は仕事が終わらず遅れるとのこと。ちなみに、この日は日曜日である。

僕は遅れる人なんぞ構わずさっさと入場し、東京タワーを眺められる抜群の席を確保した上で、ビーチタオルを敷いて、寛ぐための準備を万端に整えた。その後、せっかくプールに来たのだから少し泳ごうかと思ったものの、まだガラガラのプールで3〜4往復したら息切れてしまったので、さっさとプールから上がり、まだ明るいうちにビーチタオルの上で横になって文庫本を読み始めた。

後編に続く)

 
2 Comments

コメントを残す

Translate »