バカでいると、得をする(前編)

バカでいると人生特をする。そのことを悟ったのは、いつ頃だろうか。

薄々気付き始めたのは、大学一年生の時かもしれない。

その頃から僕は、思想がまったく合わない人たちに囲まれるようになった。周囲の輩は、自らの間違った思想を、遠慮なく自信満々と終日語る、極めて面倒な米国人だった。

そんな彼らに囲まれながら、僕がおとなしくしていられるはずもない。自分の考えに誰しも同意すると信じて疑わない勘違い野郎相手に、僕は「おまえ、バカか」といった感じで上から目線でガンガン発言をしていた。

しかし、周りは敵ばかりである。工夫せねば、極めて孤独な大学生活になってしまう。僕にとって、ぼっちでいることは大人しくしていることよりずっと御免だった。

そこで自然と身に付いたのが、自分の考えを面白おかしく伝える、というスキルだ。

どんな突拍子もない発言も、自虐的に話せば「またジョーが変なことを言っている」とか「どうせジョーが言ってるだけだから」みたいな感じで、軽く流してもらえる。他の人が真面目に語ったら袋叩きにあうような発言も、バカとして語れば笑い飛ばして許されるのだ。

このスキルは、「思想が合わない人に喧嘩は売りたい、でもそういう人たちとお友達にもなりたい」という僕のめんどくさい性格にうってつけで、おかげで僕は、思想の誤った友人を数多く作ることに成功した。

そして、社会人になると、この延長線上に人生で成功するカギがあることに気付くようになる。

後編に続く)

 
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