2019年1月 14日
エリートになるため、読書ノルマ達成に邁進中(後編)
(前編から続く)
一旦理想な本を選んだら、あとはひたすら前進するのみである。
読書中、「この慣用句、意味がわからないな」とか、「この登場人物誰だっけ」とか、「どうしてこういう展開になったんだっけ」など、本を一刻も早く読み切ることの妨げになる思考は全て封印する。無になって読み続けなければ、ノルマの遅れは取り戻せない。
こういう風に僕は、常に読書のノルマを達成することに全力を注いでいる。
そしてその証が、読書済みの本がぎっしり詰まっている自慢の本棚なのだ。これこそまさにエリート読書家の本棚である。
ところが、この本棚を見た人から僕は「すごーい」や「さすがー」と言った感激の言葉をもらったことが一度もない。
これにはある事情が背景にあると思われる。
僕は同じ本棚にこち亀やOne Pieceといった長期連載マンガの全巻も保管している。ずっと目立つそれらに目を奪われてしまうと、うっかり「バカじゃないの」と言ったコメントが出てしまうことも理解できなくはない。
しかし、数百冊の本が並んでいる「文庫セクション」に目を向けても感心してもらえないのには腑に落ちない。
褒めてもらえない原因を追求したことがあるが、どうやら僕の本のセレクションが評価に値しないらしい。ある友人には「中学生が読みそうな本ばっかり」と鼻で笑われたことがある。
結構失礼な話だ。
僕が読んでいるのは、池井戸潤とか石田衣良とか朝井リョウとか、ドラマ化・映画化された作品を書いている直木賞受賞超有名大人気作家ばかり。これら作家が書く本は、どう低く見積もっても高校生レベルだ。
結局は、読書をしない凡人には僕のエリートさが理解できないのだと思う。
それしか周囲による僕の読書習慣に対する低評価は説明がつかない。