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“裁判官”として700億円も稼げる「リアリティ法廷番組」は、アメリカの訴訟社会を象徴している(後編)

では、旅費に加えて賠償金まで負担する番組側にどんなうまみがあるのかというと、もちろん視聴率である。

リアリティ法廷番組は平日の昼間に主婦向けに報道される。「ジャッジ ジュディ」は多くある番組の中でも最も人気が高く、毎日1000万人もの視聴者がいる。安定したターゲット層が毎日1000万人も見ていれば、相当なCM広告費が期待できるだろう。

“裁判官”として700億円も稼げる「リアリティ法廷番組」は、アメリカの訴訟社会を象徴している(前編)

アメリカで最も裕福な女性を調べると、必ずジュディ・シャインドリン(Judy Sheindlin)という名前が出てくる。5億ドル弱(約700億円)もの資産を持っている彼女は、驚くことに、その財産を裁判官として築き上げた。

もちろん、裁判所で民事訴訟や刑事事件を裁く裁判官としてではない。「ジュディ・シャインドリン("Judge Judy")」と呼ばれるアメリカの超人気リアリティ法廷番組の主宰としてである。

このリアリティ法廷番組ほど、アメリカの訴訟社会を象徴している番組はないだろう。

小室圭の世界にいた時の僕は、危うく金銭感覚が狂うところだった(後編)

その数ヶ月後、ある案件で届出のために3万円弱の費用が発生することが判明した。つい最近まで公務員だった僕からしたら3万円は結構な大金だったので、これを支払っていいものか上司に相談しに行ったら、「そんな少額で相談に来るな!」と怒鳴られながら追っ払われてしまった。よくよく考えてみたら、この人はクライアントに対して1時間8万円請求しているのだ。その感覚からしたら、確かに3万円は大した金額ではない。

小室圭の世界にいた時の僕は、危うく金銭感覚が狂うところだった(前編)

小室圭がいるような法律事務所に在籍していたことがある僕は、給与と金銭感覚の面で随分と波乱万丈な道を歩んできている。

実は僕は、キャリアを公務員として始めた。いずれは企業法務に携わるつもりでロースクール時代に法律事務所から内定を貰っていたのだが、少しは「人のために尽くす」という弁護士の本来の姿を経験した方が自分のためになるだろうと思い、1年間だけ、ニュージャージー州で裁判官の助手であるロークラーク(law clerk)という仕事に就いていた。

小室圭の勤務先でレイオフ(大量解雇)があっても、彼の年次は対象に含まれない(前編)

アメリカのIT企業によるレイオフ、いわゆる大量解雇が日本でも物議を醸しているが、景気が後退するといずれは大手法律事務所も煽りを受けるのがアメリカである。特に金融に依拠しているM&Aなどの分野が強い法律事務所は、景気の動向に左右されやすい。(余談となるが、会社更生や訴訟といった分野は、反対に景気悪化に強い)

そうなると気になるのが、コーポレート関係の仕事がしたいと言って小室圭が就職した法律事務所Lowenstein Sandler(ローウェンスタイン・サンドラー)が、16人解雇したという報道である。対象となったのはスタッフであるが、いずれは弁護士にも広がる兆しを感じさせる驚きのニュースである。

納得できない「給料をもらっているんだから当たり前」という理屈

外資系企業にしか勤めたことがない僕は幸い経験した事がないのだが、典型的な日本の職場では理不尽なことを結構言われるようだ。

最も耐え難い例は、仕事に関して愚痴っぽいことを言うと、「給料をもらっているのだから、仕事をして当たり前でしょう」と返されること。

こんな発言をする上司がいる職場自体が信じられないが、この発言に対して「仕事だから確かに仕方がないよね」と納得してしまう多くの日本人の感覚も僕は到底理解できない。
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