僕が執着するツダくん(とワタナベくん)とのその後(後編)
そんなツダくんだが、最近一つ気になり始めたことがある。ツダくんが通っているはずの近所の大学では3年生になるとキャンパスが変わると聞いているのだが、ツダくんと僕とはコロナ前からの付き合いなので、未だに同じコンビニでバイトしているということは、彼が留年してしまっている可能性がある。ツダくん、学問の方は大丈夫か。
近所のコンビニでバイトしてるツダくん。僕の彼への執着は続く。
数週間前、僕はファックスを送るという、外国の感覚からすると時代遅れの行為に出る必要があったので、ツダくんがいるコンビニに向かった。
通常ならツダくんがいるとビクビクしてなかなか店に入れないのだが、この日ばかりは買い物をする予定がなく彼に烙印を押される恐れもなかったので、堂々と店に入ることができた。
ボストンカレッジという素晴らしい大学に通った僕は、在学中に母校愛が育み、ロースクールも同校に進学すると決めていた。ところが、自信満々に提出した願書が呆気なく却下されてしまい、他のロースクールに1年間通った後、めげずに再チャレンジしてなんとかボストンカレッジに復帰した。しかし、編入という形での復帰だったことから単位の取得は常にギリギリで、3年生の最後の学期に必要な単位をぴったり取得した上で卒業するという計画を立てざるを得なかった。
そんな綱渡りのロースクール時代を何とか無事完結させようとしていた最終年の2学期目のある日、ロースクールの事務局から「あなたはこのままだと卒業に必要な単位がひとつ足らないことを把握されていますか」という、親切なのか恐ろしいのか分からないメールを受け取った。
僕は1〜2ヶ月に一度の頻度で同じテーマの夢を見る。
夢の中の僕は、希望と遊び心に溢れる大学4年生。2学期も終わりに近づいたある日、卒業式が翌月に迫っている事実に直視せざるを得なくなる。