悪循環に陥った株式市場には抗えない(後編)
すると定番のように出てくる話が、「粉飾決算」だ。どんな時でも業績が悪い会社は決算を粉飾してでも資金を調達しようとするが、市場が冷え込むと粉飾するインセンティブが高まる。そして、どんな粉飾も基本的には問題を後送りにしているだけなので、下落市場になるとある日突然自転車操業があっけなく崩壊する。
株式市場が長期的な弱気相場に入ったようだ。英語で言ういわゆるBear Marketだ。
これに突入すると、悪循環の始まりだ。
投資家というものは、いったん下落市場に嫌気が差すと、とにかく売却することにしか関心がなくなる。会社の業績がよければ株価は5%の下落、まあまあであれば10%の下落、最悪であれば20%の下落。どんな業績でも株価は上がらず、所詮は下げ幅の違いにしかならない。