スポーツと金と政治が混じった、とある米国州立大学での出来事(前編)

昨年10月、米国のアメフト世界で、スポーツと金と政治が複雑に混じった出来事が起こった。

ことの発端は、ルイジアナ州立大学(Lousinana State University、通称LSU)のアメフトチームがライバル校テキサスA&M大学に惨敗している最中、州の知事であるジェフ・ランドリーが「この試合の結果を見ると、来年のチケット値上げは見直した方がいいと思う!」とXで投稿したことである。翌日の日曜日、大学の理事やアメフトプログラムのサポーターが知事の公邸に集まっていることが報道されると、ブライアン・ケリー監督の解任は既定路線となった。

日本の感覚からすると、知事とサポーターがアメフトチーム監督の解任に関与しているのは極めて異様だろう。

実際、さすがの米国でも、知事が大学スポーツの人事に携わるのは普通じゃない。そういう意味で、LSUは極めて異例な大学だ。

この特別な事情の背景は、1920年代まで遡る。

1928年から1932年まで、ルイジアナ州の知事は、LSUの卒業生だったヒューイ・ロングが務めていた。当時のLSUスポーツは施設も成績もボロボロで、ロングは州の予算を注ぎ込むことによってプログラムを立て直した。以降、ルイジアナ州では政治とLSUスポーツが切っても切れない関係となり、2000年代には、大学の上層部が解任したかったアメフト監督が、知事に媚びって留任できたくらいだ。

こんな風に州の知事と州立大学のスポーツがズブズブの関係になっているのは、ルイジアナ州くらいしかない。

他方、サポーターが監督の運命を左右するのは、米国の大学では当たり前である。

理由は金だ。

後編に続く)

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