飛行機の世界から学ぶ生成AIがもたらす未来(後編)
(前編から続く)
だが、ここで1つ矛盾が生まれる。自動化の技術が発展すればするほど人間の監視力が重要になるのに、自動化によってその欠かせない監視力が衰えるのだ。
人間は実際に物事をやることで身につける生き物である。ところが、現代の飛行機はほとんどオートパイロットが操縦していることから、今のパイロットは操縦する実務経験を積むことができていない。もっぱら、フライトシミュレーターで練習するのみだ。結果、実際の飛行においてオートパイロットが補正される必要がある肝心な時に、多くのパイロットは経験不足のせいで適切に対応できなくなっている。
同じく、生成AIができることが増えれば増えるほど、人間は生成AIの成果物を確認し是正する能力が低下していくだろう。
これだけでも十分懸念されることだが、本当に恐ろしいのは、そもそも能力がない人が認識されなくなることである。
昔は、空軍で戦闘機を飛ばしていたパイロットが退役後に民間航空会社へ転職することが多かった。精錬された腕がないと、飛行機を操縦できなかったからである。だが、オートパイロットの発達によって、パイロットになるための障壁が大きく下がった。自動化が進んだことで、能力が足らなくてもパイロットになれてしまうようになったのだ。結果、コルガン・エア3407便墜落事故が示したように、特に小規模の航空会社でスキル不足のパイロットが増えた。
オートパイロットが航空業界のスキルレベルを下げたのと同様に、生成AIもありとあらゆる業界でスキルの低下を招くだろう。たとえば、生成AIがコードを書いてくれるので、コーディングが分かってない人でもエンジニアになれてしまう。または、生成AIに頼めば法律を教えてくれるので、法律の知識が欠けている人でも弁護士として働けてしまう。
生成AIを巡っては、もっぱら技術の発達によって人間の仕事がなくなることが懸念されている。だが、現在の航空業界を見てみると、最も懸念すべきなのは、能力がある人間とない人間の区別が付かなくなることにあるのではないかと思う。

なるほど、鋭い指摘です。AI等の普及により、経験、実力不足の人間が増える恐れがある。AIが突然故障し作動しなくなった場合、日頃動かしていない人間たちに、昔の百戦錬磨のベテランたちのような対処ができるのか、というのは確かに不安ですね。最近よくテレビCM等で、自動運転機能の車について見かけますが、それがプラスに作用し、実際に事故が減ることに期待します。
自動的な自動車運転は大きく期待できて、飛行機のオートパイロットの経験を踏まえると、事故は減らせると思います。ただ、パイロットと同じように、肝心な時に人間が対応できなくなっちゃうと思うんですよ。。。ね。。。