スポーツチームのオーナーとして理想なのは、個人それとも企業?(後編)

前編から続く)

ファンとしては、何より自分が応援してるチームに勝って欲しい。チームの存在意義が「親会社の売り上げを伸ばすこと」なんて、たまったものではないと思う。スポーツとは感動の世界になくてはならず、企業の業績というドライな世界にあってはならない。

そういう意味で理想なのは、ファンの1人がオーナーになることだ。

いい例は、僕が応援してるニューイングランド・ペイトリオッツのオーナー、ロバート・クラフトである。彼は地元ボストンで育ち、長年シーズンチケットの保有者だった。90年代に当時のオーナーがチームを他の街に移転させると発表すると、クラフトはペイトリオッツへの愛情に流され、市場価値の1.5倍という経済合理性を度外視した価格でチームを購入し、チームをボストンに残してくれた。

このように金ではなく感情で動くオーナーは、ファンとしてとてもありがたい存在だ。

もっとも、オーナーが個人であっても、スポーツチームがビジネスであることは変わらない。そして、オーナーが無能だと、ファンの不幸は永遠と続く。

ニューヨーク・ジェッツがその典型例だ。NFLには32チームあり、そのうち14チーム(5年前までは12チーム)がプレーオフに進出できるが、ジェッツは15年連続プレイオフに残れていない。

この期間のジェッツは不安定とカオスの連続だ。監督が5回、GM(ゼネラルマネージャー)が7回代わっているだけでなく、2017年から2021年にかけては、オーナーが在イギリス米国大使に任命されて不在だった。

当たり前だが、個人のオーナーはクビにできない。そして、そのオーナーにチームを経営する能力がないと、いくら監督とGMを代えても元凶は残るので、ファンは絶望するしかない。

僕の持論は、「スポーツチームとは、感動で経営するビジネス」。感動が欠かせない以上、スポーツチームのオーナーには企業より個人の方が適していると思う。

でも、それはきっと、僕の好きなチームが有能なオーナーに所有されているから言えるのだと思う。ジェッツのファンからしたら、無能な個人より無感動な企業の方がずっとオーナーとしてありがたいだろう。

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