「なぜ投票に行くのか」を考えて、民主主義を理解してもらいたい(前編)

「なぜ投票に行くのか」

この質問に対して説得力ある回答を持っている人こそ、民主主義の本質を理解していると思う。

「国民の義務だから」という回答をよく聞くが、これは納得いかない回答である。投票するのが義務とされているのは、北朝鮮であって日本ではない。投票は権利だからこそ、棄権することもできる。「義務」と「権利」を混同してては民主主義を十分理解しているとは言い難い。

「私の1票が政治を変えるから」という回答は詭弁である。市議会議員や県議会議員の選挙ならまだしも、国政や首長の選挙で1票の差が選挙の結果を左右したことなどあった試しがない。自分の1票が政治を変えると純粋に信じて投票に行く人がいたら会ってみたい。

「政治に対して文句を言う権利を持つため」という回答は、それなりの理由に思える。確かに、政治について意見を述べたいのであれば、まずは「投票」という最も基本的な行為で意見を主張すべきだろう。だが、この回答を挙げる人のどれほどが政治について日常的に議論しているだろうか。

僕はと言えば、「投票は民主主義における政治への関与の一環だから」が回答である。

僕にとって投票に行くことは、新聞の政治欄を読むことや政治家に献金すること、選挙ボランティアすることや政治家と意見交換すること、開票報道を見ることや友達と政治を議論すること、そして選挙に立候補することと大きく変わらない。

どれもが民主主義の国で国民自らが政治の主体となる活動であり、投票行為は特段重視されない。

後編に続く)

 
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