デカくて、すごくて、優越感たっぷりのA380の旅(前編)

無事エコノミークラス(つまり1階)からビジネスクラス(つまり2階)にアップグレードされ、僕はA380の旅を満喫することとなった。

自分で言うのもなんだが、出発当日の僕のはしゃぎようは半端じゃなかった。チェックインの時から頭の中はA380に乗れる嬉しさでいっぱいで、フライトシミュレーターのことなどすっかり忘れてしまうほどだった。

チェックインを終えてそそくさゲートに向かうと、ゲート前にこんなモデルが置いてある。ANAとしても相当A380の宣伝に力を入れているようだ。

そしてビジネスクラス特権のラウンジに入ると、ゲートの近くでは見れなかったA380を窓から見下ろせる。

第1印象は「でかい」である。第2印象も「でかい」である。そして第3印象も「でかい」である。

A380があまりにデカくて、カッコ良くて、凛々しくて、僕は我を忘れてしまい、食事はうどん2杯の他にいなり寿司とサンドイッチを2つずつしか食べられず、いつもの勢いがなかった。

もっとも、ガツガツ食べられなかった理由の1つに、搭乗時間が結構早いこともあった。僕がよく乗るニューヨーク便は出発時間の30分前から搭乗が始まるのだが、A380は45分前に始まる。これだけでもA380の大きさが十分伝わったが、たまげたのはラウンジからゲートに戻った時だ。ゲート前の人群れを見て、僕はキャパシティ500人超の壮大さを実感した。

人数だけで「すげー、すげー」と唸っていたが、搭乗する経験はもっとすごかった。

搭乗こそがA380をビジネスクラスで飛ぶ醍醐味である。飛行機に乗るのに斜面で徐々に2階に上がって行くのはこの機種でしか体験できず、その感激はとても言葉では表現できない。

そして機内に入ると、またの印象が「でかい」だ。前からファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラスの順に配置されており、思ってた以上に奥行きがある。後日調べてみると、ファーストとビジネスの座席数は8席と56席でニューヨーク便と変わらないが、プレエコは73席とニューヨーク便の3倍もある。

あまりの広さに驚いた僕は、トイレに行くふりをしてプレエコのセクションをじっくり覗きに行った。離陸してしまうとカーテンを閉じられてしまうので、ビジネスクラスの客であってもプレエコの視察はできないのだ。

こうして機内をじっくり探検した後、やっと席に座った時の気持ちは最高。わざわざ翼に近い席を選んだ甲斐があり、なかなか見ることができない2つのエンジンの姿に見惚れる。

だが、一生忘れないであろう感情は、自分の足元の下に300人ものエコノミークラスの客がいることへの優越感だった。帰国後、友達や同僚から「ハワイどうだった?」と聞かれる度にこの時の優越感をハイライトとして挙げたら、誰もから「サイテー」と切り捨てられた。

後編に続く)

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