ひょっとしたことで叶ったANAのA380に乗る夢(前編)

僕の長年の大きな夢は「幻の飛行機」になりつつあるAirbus A380に乗ることだったが、去年の夏、その夢がひょっとしたことで叶った。

きっかけは、妹がハワイ旅行に行くと宣言したことである。

ハワイ諸島に特に関心がなかった僕は、それを聞いて「どうぞ行ってらっしゃい」と思ったのだが、ふと肝心なことに気づいた。東京〜ハワイはANAが唯一A380を飛ばしている便である。

そこで僕は尋問を始めた。

「どの航空会社?」

「ANA」

「成田空港?それとも羽田?」

「成田」

「A380に乗る?」

「もちろん」

どうやら妹は、A380の素晴らしさに関する僕の熱狂的な解説をちゃんと聞いていたようである。ハワイに行くのにA380に乗らない、などといったヘマは起こさなかった。

思ってもいないところから夢が叶うきっかけが転がり込んできた。ANAのA380に乗れるならホノルル空港から出ないとんぼ返りでもいいと思ってたくらいだったのに、ホテルからレンタカーまでが手配されてる旅が目の前にあるのだ。これに便乗しない理由はない。

ということで、僕はその場で妹の旅に同行することを決めた。そして、直ちに航空券の購入に移った。

ハワイと東京の飛行時間は7〜9時間。通常、このくらいなら僕はエコノミークラスで飛ぶのだが、A380となると話は別である。何しろ、A380の一番の特徴は2階建であることなのだ。この飛行機は2階で飛ばなければ意味がない。

プレエコでも2階になるのだが、夢の旅に「エコノミー」がつく席はいかんと思った。他方、ビジネスクラスのチケットを正規で購入できるほど僕は豪華な生活をしていないので、僕はいつもニューヨーク便で使ってるエコノミーの席をマイルでアップグレードする技をここでも活かすことにした。

後編に続く)

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