アメリカの大学スポーツに対する感覚では、日大のアメフト部廃部は考えられない(前編)

国内のアメフトファンなら知らない人はいない日本大学のアメフト部が廃部された。それも選手の不祥事によって。

この問題については、大学側の責任や選手側の権利の観点から多く語られているが、あえて僕は注目されてない「ファン」という視点で語ってみたいと思う。なぜなら、ファンも(選手ほどではないにせよ)明確なステークホルダーだからだ。

僕はアメリカの大学を卒業したアメフトのファンである。そんな僕からすると、全国1、2位を競うレベルの大学アメフトチームが廃部になるなど考えられない。

アメリカの大学ではスポーツが極めて重視されており、その中でも圧倒的な人気を誇るのがアメフトだ。高校生が進学先を選ぶにあたって、学問だけでなく、アメフトのレベルも考慮するのは普通のことである。これは一般の日本人からすると思いもしないことのようなので、僕が留学先について相談を受けると、必ず、アメリカらしい留学生活を経験したいのならスポーツプログラムも考慮すべきだというアドバイスをしている

僕の母校であるボストンカレッジはお世辞にも強豪とは言えないが、決して無名でもない。アメフトの歴史に詳しい人なら、1984年にボストンカレッジがマイアミ大学相手に劇的な勝利を収めた試合を必ず知っており、この試合で勝利のパスを投げたダグ・フルーティは、ボストンカレッジでは神化され銅像になって祀られている。

僕はボストンカレッジに入学した1週間以内に先輩からダグ・フルーティが神様であるということを学び、在学中は毎年9月から11月にかけて、くそ寒いボストンの冬に震えながらアメフトの試合を観に行っていた。

後編に続く)

 
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