僕はつまらない人間が嫌いである(後編)

前編から続く)

しかし、そこで気付いた。そういう神経だからこそ、つまらない人間になるのだ。学歴だけが根拠のプライドで自分は賢いのだと信じて疑わず、自分が知らないことや想像できないことについて否定的になり他人の話を聞かない。だから、永遠と自分の小さな世界から出られない。

僕も自分の正しさを確信しているという点では、似たり寄ったりである。しかし、ひとつだけ違うのは、僕は自分が経験したことがないことを知ることが好きで、そのための人との会話を好むという点だ。

実際、あの会食でこのつまらない男と会話をして、大きく得られたものがひとつだけある。それは、二千円札に関する新たな情報だ。

どうやら彼は2千円札の発行に関わっていた仕事をしていたらしく、会食中に僕が大好きな話題である2千円札の話を始めたら、彼が自分の2千円札への貢献の自慢話を始めた。その中には確かに僕が知らなかった話が多く含まれており、僕がその時に学んだ2千円札に関する豆知識が直近の2千円札に関するブログに繋がっている。

このように僕は彼との会食でブログを一本書けるほどひとまわり面白い人間になったが、賭けてもいい、彼はアメリカの憲法について語れるほど面白い人間にはなっていない。

はたから見たら僕も彼と同じく偉そうにしている小さな人間にしか見えないかもしれないが、少なくともつまらない人間だとは思われていないと信じたい。

 

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