最終学歴卒園の国際弁護士、中学校受験に挑む〜受験の巻〜(前編)
念入りに戦略を練って、受けることにしたのは偏差値77の灘中学校の入試2012年版。
受験は二日間に渡って実施されるらしい。初日は国語、理科、数学で、二日目は国語と数学だそうなので、ちゃんとその順番で受ける。
まずは国語の1日目。
問題にざっと目を通すと、内容は読解、漢字、文法、ことわざ、そして俳句。高校入試とは違い、死語である古典や日本語ではない漢文が出題されておらず、希望が持てる。
さらには、「ひらがな書きでもかまいません」という指示や、記号選択問題が多いところに、開成高校にはなかった優しさを感じる。俳句なんぞ知ったこっちゃないが、アからエのうち一つを選ぶだけなら、必要なのは俳句に関する知識でもセンスでもなく、運である。
読解の文章は、日頃から中・高校生レベルの読書に励んでいる成果があってかスラスラっと読めて、一安心。でも、文章とは関係ない漢字やことわざが出題されて、ちょっとイラっ。
もっとも、「次のカタカナの外国語を漢字で表すとどうなりますか」という問題は、実質、出題されないと思っていた英語である。「クレーム」(claim)、「スチーム」(steam)、「アラーム」(alarm)を和訳するのは朝飯前だが、案の定というか、「ジョウキ」と「ケイホウ」が漢字で書けない。
でも、さすがに「苦情」の「苦」ぐらいは書ける。他にもそこそこ埋められた回答用紙を見直すと、1日目の国語は80点満点中の60点台が期待できそうな出来である。
国語で超順調なスタートを切った次に受けたのは理科だ。
与えられた時間は60分間。その最初の1分間で僕は記号問題が少ないことに憤慨し、国語での優しさの余韻が残っていた分、裏切られた気分になる。
そして次に、各問題の分野を見極めようとする。僕の理解だと、理科には生物、化学、物理の三分野しかない。そして、僕の知る限り、「満月が頭の真上に見えた季節を当てなさい」といった問題はそのどの分野にも該当しない。
ここで僕は、質問の分野も分からないのでは考えるだけ時間の無駄と悟り、理科を切り捨てることにする。
こうして持ち時間57分残りで諦めた理科は、どう高く見積もっても一桁以上の点数は見込めない。回答用紙は立派に埋まっているが、これは30秒間で適当に埋めた結果である。
(後編に続く)