子供を失う米国航空会社で飛ぶなら、スマホを失うくらいの覚悟が必要(後編)

前編から続く)

困った彼は、手荷物受取所で、手当たり次第アメリカン航空の従業員を捕まえては状況を説明した。しかし、誰しもが「aa.comでクレームを提出するように」と言うだけで、取り付く島もない。結局スマホは回収できず、携帯なしの米国滞在一週間を強いられてしまう。

これを聞いた僕は、当初こそはなんとも気の毒な話と思ったが、最終的にはあまり同情の余地がないという結論に落ち着いた。そもそもJAL運航の東京〜シカゴ便があるのに、あえてアメリカン運航の便を選択したことが致命的な過ちである。アメリカン航空のビジネスクラスで飛ぶくらいなら、JALのエコノミークラスで飛ぶべきだった。

まあ、スマホを失ったくらいで済んで良かったと思うべきだ。米国の航空会社なら子供さえも失いかねない。

実際、そんな信じられないことを最近ユナイテッド航空がしでかした。

報道によると、米国ノースカロライナ州に住むある14歳の男の子が、一人でスウェーデンの祖父母に会いに行くことになった。未成年だった彼のために両親は子供付き添いサービスを手配したところ、その子はニュージャージー州のニューワーク空港で、ユナイテッド航空の従業員によって間違った航空会社のドイツ行きの便に乗せられてしまう。

周りの乗客がドイツ語しか話さないことを不審に思ったその子は、滑走中だった飛行機から両親にメールした。連絡を受けた両親は慌ててユナイテッドのカスタマーサービスに連絡したが、もちろん何も解決せず、最後はツイッターで「なんとかして!」と訴えたことで、本件がニュースになった。

結局、その子が乗務員を捕まえて状況を説明したら飛行機が引き返したので事なきを得たのだが、この事態においてユナイテッドがしたことは、付き添いサービスの追加料金$150を返金したことのみである。

これらの話から学ぶべき教訓は、米国の航空会社を飛ぶならスマホを失うくらいは覚悟しろ、という警告である。

 

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