米国コールセンターへの問い合わせは常にバトル

未だ米国に銀行口座を有している僕は、たまに米国のコールセンターに問い合わせをすることがある。

でもその前にまずは必ず戦闘モードに入る。具体的には、自分自身を意図的に不愉快な気持ちにさせ、喧嘩腰になるのだ。

そうでもしなければ、米国のカスタマーサポートなど乗り切れない。

米国コールセンターに電話するとまず出てくるのが音声案内だ。この案内が日本のように基本的な情報を収集することを目的としているならこっちも真面目に回答する気になるのだが、米国の場合、永遠と続き徐々に細かくなっていく質問から見え見えなのは、人を出さずに問題を解決しようとしてる魂胆である。

したがって僕は音声案内をしょっぱなから無視する。そして代わりにもっぱら怒鳴り続ける。この技はあるニュース番組を見て学んだことで、どうやら米国の音声案内システムは電話主が怒ってることを察知するとすぐにオペレーターに繋ぐ仕組みになっているそうなのだ。

ちなみに、「そんな行儀の悪いことはできない」と思ってるいい子ちゃんのあなたにひとつアドバイスをしたい。米国のコールセンターに電話しなければならないような不幸に陥った際、音声案内に付き合ってもバカを見るだけである。僕自身、どう気が狂ったのか一度だけ案内に沿って要請された情報のすべてを10分間かけて提供したら、最後に流れてきたのが「本日は祝日で営業しておりませんので、営業時間内にお掛け直しください。バーイ」というメッセージ。その後すぐに電話がプツンと切れたので、僕もぶち切れた。

さて、話を戻すと、音声案内に対して怒鳴り続けるととりあえず人間が電話に出てくる。ここからが長期戦の始まりだ。

まず、十中八九、電話に出た奴は、①僕が抱えてる問題を解決する気がない、②問題の解決方法がわからない、③いい加減なことしか伝えない、のダメ三セットである。

相手のやる気のなさは最初に発する言葉から明白だが、そう来られるのが分ってるからこそこっちも最初からバトルモードに入ってるわけだ。よって僕は、不愉快極まりない口調で問題を告げ反撃に出る。

すると担当者は「こいつめんどくせぇ」みたいな雰囲気になり、とりあえず問題を調べるふりをする。そして数分後、「こんな風にしろ」と指示を出してくる。

ここで注意しなければならないのは、約6割の確率でこの指示が間違ってるということだ。どうしてそれが分かるかというと、たとえば再発防止のために問題はなんだったのかと聞いても分からないとか、1時間前にコールセンターに電話したら同じことを言われて問題が解決しなかったとか、恐ろしいほどお粗末な理由からである。

だからおとなしく言われたとおりに従いたくはないのだが、こっちがいくら正確な解決策を得ようと粘っても、相手がやる気がない、分かってない、いい加減、では埒があかない。最終的には諦めるしかないので、米国コールセンターに電話をかけるという行為自体が実は骨折り損のくたびれもうけなのだ。

それならなぜそもそもバトル体制を組むのか。

それはたまには幸運の女神が微笑む時もあるからだ。

例として、最近スポーツジムから退会しようとしたある米国の友達の体験を挙げよう。

友達〜「この前引っ越しておたくに行けなくなったんで退会したいんですけど」

女性〜「キャンセルは電話じゃできないんで直接出向いてください。今日こっちに来れますか」

友達〜「えーと、日中は仕事してるんで都合がつきにくいんですけど」

女性〜「あ、そう、なら今から処理するわ。。。今手続きが完了したんで今日中にキャンセル確認のメールが届くはず」

「はあ?」と思うかもしれないが、これは実に運が良く、相手がやる気がなくていい加減なことを言うだけの人だったので、勝利を勝ち取れたのだ。

こんないいこともあるからこそ、ダメ元でも米国コールセンターとはめげずに戦うのである。

 

コメントを残す

Translate »