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数学的な確実性を持って40億円も宝くじで儲けたあるアメリカ人夫婦の話(前編)

「宝くじは買わないと当たらないんだ」

こう断言してはサマージャンボと年末ジャンボを買い続ける僕を多くの人は揶揄するが、アメリカには数学的な確実性を持って2600万ドル(40億円)も宝くじで儲けた人たちがいる。

彼らの名前はジェリーとマージ・セルビー(Jerry and Marge Selbee)。人口1900人で信号が1つしかないミシガン州のエバートと呼ばれる小さな町に、子供の頃から住んでるありふれた夫婦である。

「孫、博打で大損」シナリオのオレオレ詐欺〜僕ならありえたのに祖父引っかからず

僕がまだニュージャージーに住んでいたある日、母に急に呼び出されて尋問にあった。

「ジョー、ギャンブルで数百万損したんだって?」

寝耳に水とはまさにこういうことを言う。

即に否定したところ、母は今度はもう少し優しい口調で、「何かあったのならちゃんと相談しなさい」と念を押してきたのだが、身に覚えがないことについては相談しようがないので、「何の話だか分からない」と答えたところ、一応納得してもらえ、経緯を説明してくれた。

事の発端はそのすぐ前に母が祖父から受けた電話であった。その時に祖父がした話はこうだ。

先程ジョー君から電話があり、「博打で損しちゃったので三百万円振り込んで欲しい」と言われたんだけど、ちゃんとママに相談しなさいと伝えて電話を切った。心配だったので、その後直ぐに連絡を入れた。

要は、祖父はオレオレ詐欺にあったわけである。
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