タグ: ジェームズボンド
用紙の記入が終わって案内されたのは、特別に設置された両替の列ではなく、一般手続きの列。どうやら、この日ばかりは2000円札への両替は"両替"と見做されないようである。
世間は新紙幣の発行で盛り上がっているらしい。改刷から取り残された2000円札しか持ち歩かない僕にとって、これほど無縁の祭はない。
だがそんな僕でも、先日新紙幣の存在を思い出した。
このように日常生活の中で常にカッコつけている僕は、娯楽の時も決して気を緩めずにカッコつけを維持している。
カジノは僕の趣味の一つ。そして、カッコいいカジノゲームと言えば、やはりバカラだ。
「喋りさえしなければねー」とあたかも話さなければ魅力的だと言わんばかりの指摘を受ける僕は、稀に話していない時はカッコつけている。
最近、友人と遊園地に遊びに行った時にこんな会話を交わした。
友達〜「暑いねー」
僕〜「そうだねー」
友達〜「革ジャンなんか着てて暑くない?」
僕〜「暑いねー」
友達〜「じゃあ、なんで着てるの?」
僕〜「カッコいいから」
友達〜「。。。」
14歳でプロ棋士になった藤井聡太をみて思った。僕も何か才能はないものかと。
そして気付いたのだ。僕には考えなしにもっぱら話す能力があるではないかと。
この才能はまず、物理的に話せることから始まる。
話すというのは意外と疲れるものだ。数年前のバレンタインデーに、夕食を始めた17時から閉店の24時まで7時間ぶっ通しで話し続けたことがある。今考えてみたら店にえらい迷惑をかけたものだと猛省しているが、当時は帰りのタクシーで顎が痛くなり僕の口にも限界があることを学んだことに気を奪われていた。もっともその時は機関銃のように捲し立てたので7時間で体力(というか口力)が尽きてしまったが、限界を知った今ではペース配分をすれば12時間は余裕で喋り通せる自信がある。
林遣都という役者がいる。「バッテリー」という映画で見たぐらいなので日本で知名度が高いのかもよく知らないが、うらやましい、と思うことがある。彼の名前の事である。
漢字レベルが小六でストップだから当然の事ながら「遣都」が読めず、実はどこまでが苗字でどこからが名前なのかも分からなかった。ただ、中国人っぽいかっこいい漢字を使っている名前だな、と印象深かった。
その後、読みが「けんと」と知って、「かっこいい」が「うらやましい」に変わった。名前をローマ字にすると「Kento Hayashi」になるからだ。
くだらない事だと思われるかもしれないが、自分の バランスの悪い「Joe Sasanuma」には長年悩まされてきた。ただでさえ名前が短いぶんに苗字が長いのに、弁護士になるとつけられる敬称「Esq.」などつけたら「Joe Sasanuma, Esq.」。余りにも見てくれが悪くてみちゃいられない。よってありがたき迷惑の「Esq.」はなるべく断っている。