やさしいより厳しいほうが「いい人」の場合もある(後編)
同じ職場に、Aさんとはまったく逆の性格の偉い人Bさんがいた。僕は、Aさんの「いい人」ぶりの怖さを知ったからこそ、Bさんのありがたさを学んだ。
僕は長い間、人には「いい人」という要素さえあれば十分だと思っていたのだが、いろんな人に会えば会うほど、世の中そう簡単ではないと考えを改めるようになった。
たとえば、「いい人だけど頼りがない人」。そんな人は誰しも親族や同僚に一人くらい思い浮かぶのではないだろうか。こういう人たちは純粋な心の持ち主で、悪意はなく、悪いこともできないが、困った時にあまり当てにならないと言う意味では物足らない。
頼りない人は害にもならないかもしれないが、世間には「いい人」だからこそ害を与える人もいる。