去年の夏まで、僕の夢はAirbus A380に乗ることだった。
A380とは世界最大の(旅客機に限らない)航空機である。史上初めて(で多分最後)の最前から最後までが2階建の4エンジン。飛行機ファンからするとたまらない乗り物である。
去年の夏まで、僕の夢はAirbus A380に乗ることだった。
A380とは世界最大の(旅客機に限らない)航空機である。史上初めて(で多分最後)の最前から最後までが2階建の4エンジン。飛行機ファンからするとたまらない乗り物である。
もともと日本の航空会社の中でA380を購入する予定だったのはスカイマークだった。だが、2015年に経営破綻してしまい、A380購入どころではなくなる。その後、ANAがスカイマークの再建支援に乗り出し、その一環として、スカイマークが注文した6機のうち3機をANAが引き継ぐことになる。
僕の長年の大きな夢は「幻の飛行機」になりつつあるAirbus A380に乗ることだったが、去年の夏、その夢がひょっとしたことで叶った。
きっかけは、妹がハワイ旅行に行くと宣言したことである。
ハワイ諸島に特に関心がなかった僕は、それを聞いて「どうぞ行ってらっしゃい」と思ったのだが、ふと肝心なことに気づいた。東京〜ハワイはANAが唯一A380を飛ばしている便である。
そこで僕は尋問を始めた。
ということで、ANAのサイトにアクセスして妹が指定した便を検索すると、表示された価格は20万。金額にたまげて、これはプレエコを選んでしまったのだろうと思い検索し直すと...また20万円。コロナで飛行機代が高騰していると噂には聞いていたが、まさかハワイ行きのエコノミークラスが数十万円もするとは夢にも思っていなかった。
無事エコノミークラス(つまり1階)からビジネスクラス(つまり2階)にアップグレードされ、僕はA380の旅を満喫することとなった。
自分で言うのもなんだが、出発当日の僕のはしゃぎようは半端じゃなかった。チェックインの時から頭の中はA380に乗れる嬉しさでいっぱいで、フライトシミュレーターのことなどすっかり忘れてしまうほどだった。
ちなみに、飛行機好きは変なところに注目してしまう。
たとえば、安全のしおり。こちらで解説したとおり、どの飛行機も90秒以内に片側の出口から全員が脱出できるように設計されている。2階建てのA380はどういう設計になっているのだろうと思い安全のしおりに目を通したら、もちろん直接2階から地面に滑り降りられるようになっている。
A380に乗ることが目的だったハワイの旅。行く前はハワイ自体になんら関心がなかったのだが、戻ってきたら何ヶ月も余韻に浸ることになり、今となってはハワイを軽視していたことを猛省している。
ハワイといってもいろいろな島があり、僕が行ったのはカウアイ島。最も小さく観光客が少ない島で、日本人はほとんどいない。
そしてここは、森林が綺麗なことで有名である。
だが、やはりというか、ハワイで何より素晴らしかったのはビーチである。
ハワイに滞在していた毎日、どんなアクティビティの予定があっても、必ず数時間はビーチ時間を確保するようにしていた。その時間帯にボーっとするのもよし。カクテルを飲むのもよし。本能赴くままに寝るのもよし。
そして、将棋を指すのもよし。