米国の不思議さを語ってる、とある”投票日”にあったエピソード(後編)

前編から続く)

ちょっと背景を説明すると、連邦制の米国では、いつどの選挙が行われるかについて、基本的に州が決める。ただ、大統領選と米国連邦議員の選挙は偶数の年の11月の第1火曜日に行われることが米国の法律で決まっているため、大半の州は奇数の年も11月の第1火曜日になんらかの選挙を実施するようにしているのだ。

よって、多くの米国人にとって「11月の第1火曜日」=「投票日」という感覚が身に染み付いており、その日は当然のこととして投票所に向かう。

投票行為にそこまで高い意識を持っているのは、褒め称えられるべきほとすごいことである。他方で、実際に選挙があるか確認せず投票に行く無謀さは、反対の意味ですごい。

でも、このエピソードで最も米国らしいのは、投票できなかったケンタッキー州の有権者が取った次の行動だ。

いつも行く投票所が閉まっているとわかると、有権者は家に戻り、投票所が閉まっていたことに理由があると考え、その理由を調べる…ようなことはしなかった。逆に、投票所が空いていなかったのは行政の手違いだったはずだと決めつけ、州庁に電話をかけてクレームをした。

これが1人や2人なら日本でも起こるかもしれないが、ケンタッキー州では、総務長官が午前10時42分に注意を促す必要があるほど、相当な数の有権者が朝から同じ行動に出ていたのだ。

米国とは、投票行為が習慣になるほど民主主義が浸透していながら、選挙について恐ろしく無知で、自分のことを棚に上げて自己主張を行う人で溢れてるのに、そんな理不尽さに対してユーモアを交えながらも真面目に対応できる、なんともおおらかで不思議な国である。

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