将棋で初段になり、羽生善治と藤井聡太2人の署名が得られることになった話(後編)

前編から続く)

ということで、それまでは初段は遠い目標と思って諦めモードに入っていた僕も、この2年間、羽生さんが会長であるうちに昇段したいと意気込むようになった。

では昇段するにはどうすればいいのか。

勝ち続ければよいのである。

では勝ち続けるにはどうすればいいのか。

強くなればよいのである。

では強くなるにはどうすればいいのか。

たくさん指せばよいのである。

そう考えた僕は毎日欠かさず将棋ウォーズで3局指し続け、アプリを使い始めた時から数えて7304局目で初段になれた。

次の画像が表示された瞬間は一生忘れないだろうと思う。

これで念願の羽生・藤井連署の免状をゲットできると有頂天になっていたら、ある人からとんでもない指摘を受けた。羽生さんが6月の任期満了をもって会長を退任するのだという。

将棋界の動きに疎い僕はこのことを知らなかった。羽生さんが会長になって以来免状の申請が殺到していたので、僕が免状を申請しても羽生会長の署名には間に合わないのが一目瞭然だった。

有段者になれた嬉しさと羽生・藤井連署の免状を逃した悔しさで複雑な心境の中、駒の動かし方しか知らなかった僕を初段まで導いてくださった先生に報告すると、「免状の推薦を出しましょうか。正規ルートより早くなり、多分羽生会長の署名が間に合います」と思いがけないことを言ってくださった。

なんと、羽生さんの署名に間に合うとは。初段達成と羽生・藤井連署の免状の取得。これは僕の人生の中で片手に数えられるほどすごい出来事である。

この人生一大イベントについて僕は職場で仕事そっちのけに報告したのだが、同僚の反応はいまいち薄かった。というか、誰しも無関心だ。

ということで、僕は決めた。

免状が届いたら、額に入れてかけるのではなく、持ち歩く。

 
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